切原くん家のお姉さん
小さな手掛かり
千春とまーくんが姉弟喧嘩を始めた。 私とミチルはただぼーっとしながら2人を眺めていた、天ちゃんと丸井くんは普通に会話している。
ブーッブーッと、携帯のバイブが鳴り私は携帯をポケットから取り出した。
"何しに来るんですか??" そんな素っ気ないメールが届いた。
私は素っ気ないメールに小さく笑みを漏らした。
"ちょっと顔見たくなったから会いに行くだけだよ" そう打って私は送信ボタンを押した。
「何です??彼氏か何かですか??」
『ち、違うわよ』
「実奈に彼氏!?」
『違うって言ってるでしょ…』
携帯を手に笑って居たからかミチルが勘違いをした。 私はミチルと千春にうんざりしながらミルキーを食べた。
物欲しそうに見つめてくる丸井くんと天ちゃんにもミルキーを渡して携帯を確認した。 さりげなく、まーくんが抱きつこうとしているのを尻目に若くんからのメールを読んだ。
"だったら俺じゃなく跡部さんに言えば良いじゃないですか" 本当に素っ気ない、寧ろ冷たすぎる!!と、心の中で若くんに悪態をつくがメールを返してくれるだけでもまだ良いかと思い私は若くんに"会いたいのは若くんだから"と送り携帯を閉じた。
「まさか実奈先輩の好きな人!?」
『は?』
「前に言ってたじゃないですか!!」
『………そうだっけ??』
「言いましたよ!!"もう会えないけど"とか…」
ミチルにそう言われ最近の記憶を思い出してみたが全く思い出せない。
そもそも私に好きな人がいたの?? そんな事を思う始末だ。
『ま、良いや…』
「私は全然、良くないんですが…」
『まあまあ…じゃ、そろそろ教室に帰ろうか』
「あ…そうですね」
ミチルと私が荷物を片付け始めたら4人も片付け始めた。
『じゃあ明日』
「はい!!」
天ちゃんと言葉を交わし私はお弁当袋を手に持ちフェンスを登った。 ミチルと千春は先に登っている。
『千春、中々かわいいパンツ履いてるのね』
「なぁ!!」
「え!?なに柄!?」
「ミチル!スカート捲るな!!!」
『ミチルちゃんはて――』
「ぎゃああ!!」
『アハハハ!!』
千春とミチルをからかいながら私はフェンスを降りた。 2人はまだフェンスを降りきっていない。
「実奈先輩はなに柄なんですか?」
『ん?内緒』
「純白のフリ…グハッ」
『あ、ごめん手が滑った』
「………」
『どうした??』
「いえ…何でも…」
千春の後頭部にお弁当袋を当て、にこにこ笑っていたらミチルちゃんが苦笑いして後退って行った。
記憶の糸口
好きな人、もう会えない。 まだこれだけしか手掛かりがない…
20120414
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