切原くん家のお姉さん
それぞれに
千春と一緒に移動教室に行き3、4限は楽しく過ごせた。
教室に戻ってお弁当を手に持ち千春と共に下駄箱に向かう。
「あ、実奈先輩!!」
『ヤッホー』
「……何で朝、先に行ったんですか??」
『気分』
そう言った私に対してミチルは肩を落として"そうですよね、実奈先輩ですもんね"と呟いて遠い目をしていた。
私はそんなミチルに小さく笑いかけ靴を履き替え2人を置いてフェンスを登った。
『会いたかったよー!!』
「実奈先輩…!!」
ぎゅーっと天ちゃんを抱き締めた。
"天ちゃん可愛い、天ちゃん可愛い"と内心思いながら、思う存分抱き締めた私は、昼食を食べる為お弁当を袋から取り出した。
『あれ?今日は丸井くん達居ないの??』
「来まふよ」
『……ハムスター』
天ちゃんはモグモグとパンを頬張っている、そんな天ちゃんを見て私はハムスターを連想させた。
2人で楽しくご飯を食べていたら汗だくな千春と冷めた目で千春を見るミチルが来た。
『今日はやけに遅かったね』
「ちょっと人に捕まって…」
『え、誰に??』
「双子じゃよ」
『あー…何で??』
「実奈を探しとったぜよ」
『そう……何で訛ってるの?』
「ノリじゃ」
私はミチル同様、冷たい視線を千春に送った。
「おっ今日もお揃いで」
「久しぶりじゃな実奈」
『あ、丸井くん久しぶりー』
「無視か!!」
『………』
「………酷いなり」
『冗談だよ仁王弟』
「まーくん」
『仁王お』
「まーくん」
『……………まーくん』
余りにもしつこいので"まーくん"とため息混じりに言ったら仁王弟は嬉しそうに頬を緩めた。
「仁王キモッ」
「ブンちゃん酷いなり」
「知らね」
「ふふふ」
そんな2人のやり取りを見て天ちゃんが笑った。 丸井くんは天ちゃんを横目で見て外方を向いた。
『良いねー青春』
「いいねー…実奈も私と青春しよう」
『イヤ』
「千春先輩ドンマイ」
「カッチーン」
千春が"カッチーン"と言ったのを合図に2人は口喧嘩を始めた。
今時"カッチーン"何て言う人いたんだなー、とか思いながら私は丸井くんを見つめ続けた。
やっぱり天ちゃんの事意識してるよな… そう思いながら天ちゃんと丸井くんを見ていた。
「俺の事も構いんしゃい」
『…まーくんは彼女』
「実奈から離れろやコラー!!」
取り合い
仲良いな… 何か皆それぞれ青春してるな…
20120413
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