切原くんお姉さん
捲れる

後13分で5限目が始まる事に気付き3人で教室に戻る事にした、途中前田くんがトイレに行きたくなったらしく走ってトイレに行った。


羽山くんは笑いながら前田くんの後ろ姿を見ていた、私はそんな羽山くんに苦笑いしかできないでいた。



「あ、そうだ」

『………??』

「俺、本当に切原の事好きだから」

『…はっ!?』

「ハハッ…切原ちょー間抜け面」

『……っ羽山くんって良くわかんない』

「うん、よく言われる」

『………』



羽山くんの謎の告白に驚いてしてしまったが、どういう意味で言ったのか分からないので私は敢えて何も聞かないでおく。


私は歩きながら2袋目のポッキーを食べる、周りからの視線が痛かった気がするが、羽山くんと一緒に居るからだと思うことにした。



「実奈ー!!」

『ウゲッ』



丁度、千春が階段を上がって来たのか私を見つけた瞬間走って来た。
私は嫌な予感がして、残りのポッキーを羽山くんに押し付け逃げようとした。



「実奈つーかまーえたー!!」

『グヘッ……おま、引っ付くな!!』



タックルしてきた千春は涙と鼻水を垂らしながら私に抱き付いてきた、私は千春の頭を必死に押して引き離そうとするが中々離れない。



『ちょ!!鼻水つけんな汚い!!』

「ふえ?」

『可愛くねーよ!!』

「チッ」

『おい』



舌打ちした千春にでこぴんをしたらすんなり離れた、私は痛がっている千春を無視して教室の中に入る、中に入ると羽山くんが笑顔で待っていた。


最近やたらと笑顔だよなー
とか思いながら羽山くんからポッキーの袋を受け取った。



『……あれ?』

「全部食べちった…てへぺろっ」

『あー…あー…うん…』



まあ、しょうがないか…
私が押し付けたんだし…うん。
自分に言い聞かせる様に心の中で呟き私は渡された袋をゴミ箱に入れ席に座った。


席に座って千春が来るのを待つが中々来ない。
何かあったのかな??とか思いながらドアを見つめていたら前田くんが慌てて入ってきた。



「ど、どうしよう!!」

「どうしたんだよ?」

「に、仁王が廊下で倒れてる!!」

「は?」

「いや、だから!!」

「別に大丈夫じゃない?仁王さんだし」



慌てている前田くんとは正反対にクラスの皆は冷静。



「実奈ー…グスッ」



ゆらり、そんな感じに前田くんの背後から顔を出した千春。
か細い声で私の名前を呼んだが私は返事をしないでただ見つめた。



「早く入れっ」

「うぐっ」

「ぎゃへっ」



岬先生の声が聞こえたと思った瞬間、前田くんと千春が前に倒れた。
多分、千春が蹴られたか押されたんだろう。



「あー…わりぃ」

「てめ…岬!!」

「…ヒャッ」



岬先生はポリポリと頭を掻きながらそれはそれは怠そうに前田くんと千春を見ていた。
クラスの皆も私も目に止まったのは千春の胸に然り気無く手を当てている前田くんとちゃっかりスカートが捲れ上がっている千春。



「うぎゃーーー!!」



千春が上げた悲鳴に耳を抑えた私達…





とりあえず直そうか

『前田くんちゃっかりしてんねー』
「だよねー」
「ばっ!!ちげーよ!!」
「おま!!先ず私に謝りなさいよ!!」




20120331
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