切原くんお姉さん
夕食

昔の事を思い出していたらあっという間に回転寿司に着いた。

中に入ると案外空いていた。
良かったー
とか思っていたら赤也が固まっていた…



『どうしたの?』

「………」

『…お母さん赤也が壊れた』

「……ああ!部活の先輩がいるからよー!!」



なんでお母さん嬉しそうなの?しかも妙にテンションが高い。

若干、母に呆れつつ2人の見ている方を見たら…


似非紳士がいた!!
何故そう思うかと言うと…
眼鏡が逆光で瞳が見えない!
しかも妙に紳士って言葉が似合いそうな雰囲気だから!


でもアレはムッツリだと思う。
伊達に人生2回も生きてないからね…


私がドヤ顔していたせいか赤也に引かれた。
やっぱり私の扱い最近悪いよね?



「3番でお待ちの切原さまー!!」

『あ、呼ばれた』



店員さんに席まで案内してもらったらなんとその席は赤也の先輩の向かい側だった。


紳士っぽい人は赤也に気づいたらしく声をかけてきた
赤也どんまーい!
と、心の中で思い私は席についてお茶と箸を用意する。



「おや?貴方は切原くんのお姉さんですか?」



似非紳士なんて思ってスンませーん!!



「えっ…ああ…そうっす…」

『どうも…』



赤也、何故どもる!!
そんなに私と姉弟だと思われるのがイヤかっ



「初めまして、切原くんと同じテニス部の柳生 比呂士と申します」

『赤也の姉の切原 実奈です』

「………」

『どうした?』

「……別に」



柳生くんと挨拶を交わした後は普通に寿司を食べる。
お母さんは柳生くんと喋っていた…


赤也は何か不機嫌…



「そうなのよー!実奈と赤也全然似てないでしょ?」

「いえ…そんな事は…」

「なあ…そんなに俺達似てないの?」



ボソリ
隣に座っている私にしか聞こえない声で赤也は言った



『…顔は似てないかもね』

「………」

『まあ、血は繋がってるし…性格も多少似てるんじゃない?』

「…うん」



その後、柳生家は帰って行った。

妹さんと柳生くんが並ぶと親子みたいだね…
そう言ったら赤也とお母さんは唖然としていた。





弟の先輩

今更だけどあの子私より年下よね?
………まあ、あいつよりはガキか




20110721
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