切原くんお姉さん
想い

あれから教室に戻り授業をサボる事なく受けた。
授業が全て終わり、岬先生が来るのを待つ。



「今日どうする??」

『今日は帰るよ』

「じゃあ私も一緒に帰る」

『はいはい』

「HR始めるぞー」



岬先生のHRが終わり帰ろうと鞄を持ってドアに向かう。



「あ、切原」

『はい?』

「あー…いや、何でもない」

『……さようなら』



それだけ言って千春と一緒に下駄箱に向かう。



「あ…」

「よっ」



下駄箱で羽山くんと前田くんに会った。



『今から部活??』

「おう!2人はもう帰るの?」

『うん』

「ふーん…」



そう言って前田くんは千春を見つめた。


……やっぱり惚れた??
私はそう思いながら前田くんを見つめる。



「ねえ…悠季」

「…何だよ」

「仁王さんの事好きなの?」



羽山くんが爆弾発言した。


私も千春も前田くんも呆然と羽山くんを見つめる。
羽山くんは真顔、だからか分からないが羽山くんの心境が読めない。



「な、何言ってんだよ…」

「好きなの?」

「っ!!」



2人が話を進めて行く中、千春は未だ呆然としている。
何だか色々と巻き込まれそうな予感がして私は靴を履いて壁に凭れ掛かった。



「どうなの?」

「ぶ、部活行くぞ!!」

「…逃げんなよバカ」



走ってテニスコートに向かう前田くんの後ろ姿に羽山くんがそう言った。


私はため息を吐いて千春の頭にチョップをいれる。



「いたっ」

『帰るよ』

「う、うん…」

『またね、羽山くん』

「うん、また…」



私は千春の手を引いて校門に向かう。


羽山くんは何であんな事を聞いたのかは分からない。
もしかして前田くんと千春を??
とか色々考えながら歩き続けていると千春が急に立ち止まった。



『どうした??』

「どうしよ…」

『…何が?』

「…私…どうしたら良い??」

『……告白された訳じゃないし今まで通りで良いんじゃない??』

「そ、そっか!!」



千春はそう言って笑った。


まあ、遠回しな告白だったけどね…゙違ゔとか言わなかったし…
羽山くんはどんな気持ちなのかな…
そんな事を考えながら私は千春とコンビニの前で別れた。





複雑な心

千春はモテモテね…
さて、千春はどっちを選ぶかな?




20120321
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