切原くんお姉さん
直球

私は真下にいる仁王弟を睨み付け、手に持っていたお弁当を投げつけた。



「うおっ!?」



私のお弁当を見事受け止めた仁王弟。
私は構わずフェンスから降りた。



『どうも』



仁王弟の手の中にあったお弁当を取りそのまま天ちゃんの所に向かう。



『天ちゃん』



満面の笑みで天ちゃんを呼ぶ。
天ちゃんの隣に赤也と丸井くんが居るがとりあえず無視して…



「どうしたんです??」

『……………』

「ギャッ!!」




取り敢えず天ちゃんを力一杯抱き締めた。


マジ天ちゃん天使。
もうエンジェル天ちゃんだよ!!



『エンジェル天ちゃん!!』

「いや、何ですかそれ!!」

『んーっ』

「ちょ!!どこに手入れてるんですか!!」

『どこって…』



ニヤッと笑って天ちゃんを押し倒した。
天ちゃんは顔を真っ赤にして口をパクパクさせている。


ヤベッ…たまんない。
とか変態思考に一瞬なったが理性を保ち天ちゃんの上から退いた。



「姉ちゃん何やってんだよ!!」

『赤也…顔真っ赤』

「う、うるせーよっ」

『アハハ!!』



赤也を指差しながら笑ってからお弁当を食べようと袋から箱を出す。


千春とミチルはいつの間にか来ていて何故か私の真後ろに座っていた。



「何じゃ冷たいのう」

『………』

「キスした仲じゃと言うのに…」

「「えっ!?」」



仁王弟の発言にミチルと天ちゃんが反応した。
私は黙っておかずを口に入れる。



「き、キスって!?」

「し、したの!?」



2人がそう言って顔を近づけてきたが私は立ち上がり千春と木の間に座りお弁当を食べ続ける。

とりあえずお弁当食べさせて。
そんな思いで黙々とお弁当を食べる。



『…ごちそうさまでした』



そう言って顔を上げ私は真っ直ぐ仁王弟を見つめ



『昨日なんでキスしたの??』



そう言った。





悩むより聞く

誰かこの空気どうにかして…
頼むから…




20120319
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