切原くんお姉さん
恥ずかしい

私は3人の声をBGMにハンバーグを食べる。



「グエッ」



そんな声が聞こえて前を見てみると千春の頭に肘を置いてニヤニヤしている仁王弟が目に入った。
仁王弟の後ろには赤也を必死に宥めている丸井くんが見えた。



「もしかしてデートか??」



嫌な笑顔でそう言ってきた仁王弟。
私は気にすることなくハンバーグを食べる。



「ちっげーよ!!つか退け!!」



千春がそう言ったからか仁王弟は千春の上から退いた。
私はご飯を食べながら2人を見る。

前田くんと羽山くんは何故か唖然としている。



「…切原ってあいつ等と知り合い??」



そう前田くんが小声で話しかけてきた。
私もつられて小声で答える。



『知り合い…って言うか…』

「姉ちゃんから離れろよ!!」

「「「「「『え』」」」」」

「……あ」



赤也のせいかは分からないが周りがしーんと静かになった…

え、何この空気…
とか思って赤也を見つめていたらだんだん赤也の顔が真っ赤に染まっていく。



「と、トイレっ!!」



そう言って早歩きでトイレに向かった赤也。

赤也がトイレに逃げ込んだせいかは分からないが仁王弟と丸井くんが私達の席に来た。



「で?」

『何…』

「デートか??」

『違うけど??』

「…さっきキスしてたじゃろ?」

『「は?」』



仁王弟はニヤニヤしながら私と前田くんに向けてそう言った。その言葉に私と前田くんは顔を見合わせて首を傾げた。



『え…してないけど』

「…赤也と見つめ合っていた時にしたじゃろ??」



仁王弟も首を傾げてそう言ってきた。
丸井くんも頷いている。
千春と羽山くんはもう空気と化している。



「…それって角度でキスしてる様に見えたんじゃ?」

「「……ああ」」



前田くんの言葉に納得したのか2人は元の席に戻って行った。



「あ、赤也」

「…なんスか??」

「キスしてなかったみたいだぜぃ」

「え!?本当!?」

『…うん』



トイレから帰ってきた赤也に丸井くんがそう言うと赤也はバッとこちらを見てそれはそれは素晴らしい笑顔で見てきた。



「いやー…良かった!!この人が姉ちゃんの彼氏とかだったらどうしようとか思ったけど!!」

『赤也、サラッと酷い事言ってあげないで』

「いや、切原も何気酷いから!!」

『「え??」』

「いや、良いよ…別に…」



ぶつぶつ言いながら前田くんはナポリタンを食べ初めた。


私は赤也に丸井くん達の方に戻るように言って残りのハンバーグを食べる。



「相変わらず仲良し姉弟じゃな」

「へへっ」



そんな会話が聞こえてきて何だか嬉しくて私は小さく笑った。




空気な千春と羽山くん

「仁王先輩もお姉さんと仲良いんスか!?」
「…普通かの?」




20120314
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