切原くんお姉さん
赤と黒と白

あれから4人でファミレスに向かっている途中、千春の携帯が鳴った。



『誰から??』

「…雅治から」

『ふーん…』



そう言って千春は歩きながらメールを返していた。


駅前のファミレスに着き中に入る。
店員さんに人数を言って席に案内される。


店員さんに案内された席に座る。
私の隣に前田くんが座って来て驚いたが何故か私よりも千春が驚いた顔をしていた。



『千春、座りなよ』

「……うん」



そう言って千春は向かいの席に座った。
隣には顔を赤くして俯いてる羽山くん。


こうやって見ると中々お似合いだと私は思った。



ブーッ ブーッ



制服のポケットが震え携帯を手に取り確認する。
メールが3件来ている
私はメールを開いて確認すると母と父、赤也からメールが来ていた。


勿論、夜ご飯食べてくるメールだ。
私は一斉送信をして携帯を閉じた。



「何だったの??」

『家族から…夕御飯いらないって』

「へー…なら今日は皆で食べてく??」

「それ良いな!!」

「じゃあ決まりで…良いよな??」

「『…もちろん』」



千春と顔を見合わせて笑った後、皆で話ながら料理を決めた。

千春が店員さんに全員の注文を言ってから料理が来るまでとてもくだらない話をしていた。



「あ!そう言えば今週、中学生と合同じゃね!?」

『え…何が??』

「部活だよ部活!!切原も来るんだろ?」

「……そう言えばそうだったね」

『………え!?もしかして2人ってテニス部!?』

「「うん」」



私はポカンとした顔で2人を見つめた。
千春は知っていたのか普通に水を飲んでいた。


えー…知らなかったの私だけ??
とか思いながら3人を見ていたらお店の窓から赤と黒と白の頭が見えた。


まさか…
そう思って千春に知らせようと声を掛けようとしたら丁度、注文した料理が運ばれて来た。



「うまそっ!!」

「早く食べようぜ!」

「…実奈??」

『あ…うん』



私は目の前にあるハンバーグを見ながら゙いただきまずと言って手を合わせた。
3人私と一緒にいただきますをした。


ナイフとフォークでハンバーグを切っていると誰に見られている様な気がして顔を上げた。



『………』

「………」



そこには赤也と仁王弟、丸井くんがいた。


私は一口サイズに切ったハンバーグを口に入れる状態のまま暫く赤也と見つめ合っていた。


そんな私の状態を見て不思議に思ったのか、前田くんが私の顔を覗き込んできた。



「大丈夫??」

『う、うん…』

「ちょ!!前田近い!!」

「前田っ実奈から離れろ!!実奈が穢れる!!」

「おまっ!!穢れるは流石に傷つくぞ!!」

『……ハァー』



私は軽くため息をついてハンバーグを食べた。





流れに身を任す

私はもう諦めた。
後は流れに身を任せよう。




20120313
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