切原くんお姉さん
幸せな日常

次の日の朝、何時もと同じ時間に目が覚め、お弁当を作る。
赤也は遅刻しそうなのかお弁当が出来たぐらいにバタバタと家中を走り回っている。


お母さんも赤也同様、バタバタと走り回っている。
お父さんは知らぬ間に出勤したようだ。



「姉ちゃん弁当!!」



玄関から赤也にそう言われ赤也のお弁当を小走りで持っていく。



「サンキュー」



お弁当を持って赤也は出ていった。
お母さんも赤也を追いかけるように家を出た。
私はリビングに戻り食べかけのパンを頬張る。



『そろそろ行くか…』



久しぶりの学校に少しソワソワしながら待ち合わせ場所に向かった。



















「実奈ー!!」

『千春…』



私の名前を呼びながら千春が抱きついてきた。
一瞬、突き飛ばそうかと迷ったがそのままにする事にした。



「あ、実奈せんぱーい」

『ミチルおはよ』

「おはようございまーす」



ミチルはまだ眠いのか何時もと少し違う。


それから3人で話をしながら学校に向かった。
途中、千春が石に躓いて転けたりした。



『じゃあまたお昼に』

「はいっ」



ミチルと別れ教室に向かう。
千春はまたラブレターが入っていたのか顔が真っ青だった。



「あ、切原さんおはよー」

「体、大丈夫??」

『うん、もう大丈夫だよ…ありがとうね』



と、クラスの子と会話をし教室に入った。


席に座って机の中を確認してみると中にプリントが数枚入っていた。
プリントは今週の出来事的な内容だったので簡単に目を通してファイルに閉じる。



「実奈ー…」

『…遅かったね』

「実奈が置いていくからじゃ」

『ごめんごめん』

「……謝る気ないじゃろ」

『うん』

「………実奈ちゃんのバーカ」

『きもっ』



そう言って千春の方を見ないように前を向いた。
千春は後ろで何か言っているが私は両手で耳を塞いでいるため良く聞こえない。



「実奈のガキ」

『んだとコラ!!』

「ええ!?」



どうやら私の耳は案外良く聞こえるらしい。
千春にでこぴんをして私は前を向いた。


前を向いて口を手で覆って周りから見えないようにして私は笑った。





何時もの日常

この時間が1番幸せかもしれない。
千春達に感謝しなきゃね…




20120307
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