切原くんお姉さん
写真

「な、なに笑ってやがる!!」

『ご、ごめ…』



私は必死に笑いをこらえ跡部くんに向き直る。
顔が赤いのはもうスルーしよう。


私は跡部くんが持っている写真を取り上げた。
何でリビングにこの写真があるのかは分からないがとりあえず引き出しの中に入れる。



「あれって…」

『うん、去年撮ったやつ』

「………」



去年の秋に恵里奈に"変装しよう!!"とか言われてカツラを被されて跡部くん達テニス部と一緒に撮ったやつ。


因みに恵里奈は侑士くんにバレたけど私は全くバレなかった…
"実奈のいとこやねん!!"とか言ってね。
まあ、次の日にバラしたけど。



『跡部くん態度違ったよねー…』

「………」

『"俺様に気安く触るな"とか言ってさ』

「………」

『バラした後、真っ青だったよねー』

「…そうだったか??」



私は跡部くんにバレないように笑った。
跡部くんは思い出したせいか顔が真っ青だ



『…お昼なに食べたい??』

「そうだな……」

『特にないならオムライス作るけど…』

「…実奈に任せる」

『りょーかい』



私は立ち上がりキッチンに向かった。

オムライス食べたかったんだよねー
私はそそくさとオムライスを作り始めた。



「……何か無いか」

『えー…??』

「………」

『あー…私の部屋から何か本でも何でも良いから持ってきなよ』



そう言って跡部くんに部屋の場所を教えた。
跡部くんは素直に2階に行った。

卵を割ってといていると2階からバタバタと何か倒れる音がした。
私はとりあえず卵を焼いてから2階に向かった。



『…何やってんの??』

「……何だこれは」

『………』



跡部くは恵里奈からのプレゼントの写真を手に持ったままそう言った。



『恵里奈からのプレゼントだけど…』

「………あの野郎」



あ…怒った??
てか恵里奈これ隠し撮りだったのね…
私はため息を吐いた。



「チッ…」

『あのさ、オムライスできたんだけど』



イライラしてる跡部くんにそう言ったら睨まれた。
私は特に気にしないでそのまま跡部くんを見つめる。



「実奈」

『ん??』

「やるよ…」



跡部くんはそう言って小さな箱を投げてきた。
私は慌ててそれを受け取った。



「今年の誕生日プレゼントだ」

『あ…ありがとう』

「ちゃんと返せよ??」

『…分かってるわよ』



それから2人で少し冷めたオムライスを食べた。





さあ、どうしようか

午後からどうする?
どこか行く??




20120301
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