切原くんお姉さん
吹き出す

跡部くんに服装を褒められ?唖然としている私の手から荷物を取った跡部くん。



『ちょ!!』

「俺が持たないとあいつ等がうるせーんだよ」



そう言って鞄を持って歩きだした跡部くん、私は慌てて追いかける。


外に行くと跡部くん家の車が停まっていた。
跡部くんは執事さんに私の荷物を渡し車に乗り込んだ。
私はどうしたら良いのか解らなく突っ立っていたら執事さんに乗るよう言われ、遠慮がちに乗り込んだ。



「これからどうする?」

『…とりあえず荷物を』

「…分かった」

『………なんなら家に来る??お昼作るよ?』

「……………行く」

『うん』



それから家に着くまで跡部くんと他愛ない話をした。



「着きましたよ」



そう言われ車から降りた。

執事さんにお礼を言って荷物を受けとる。


鞄から鍵を取り出して玄関を開ける、誰の靴も無く全員出掛けたのだと分かった。


赤也は部活の先輩と出掛けるとメールが来ていた気がする…父と母はどうせデートだろう。



『上がって』

「あ…ああ」



跡部くんが遠慮がちに中に入ってきた。
私は鞄を階段に置いて跡部くんをリビングに案内する。



「………」

『あー…狭くてごめんね』

「いや…」

『あ、ソファーにでも座っててよ』

「ああ…」



私はお茶を淹れるべくキッチンに向かう、久しぶりのキッチンに私はなんだか懐かしく感じた。


お茶を淹れ跡部くんに持っていく。
跡部くんは落ち着かないのかなんだかソワソワしている。
ソワソワって言っても雰囲気が…



『落ち着かない??』

「そんな事ねーよ」

『そう…あ、家族はいないからね』

「そ、そうか…」



ホッとした表情を見せた跡部くん、私はそれがなんだか可笑しくて笑ってしまった。



『じゃあちょっと荷物片付けるから』



そう言って私はリビングを出た。
鞄の中の物を全て出しタオル等は洗濯機に放り込み2階に行って鞄をしまいリビングに戻った。



「………」

『………』



中に入ったら跡部くんとバッチリ目が合ってしまった。
私は跡部くんが手に持っている物を指差し



『何、持ってるの??』

「こ…これは」

『それ…私のなんだけど』

「!!」



みるみる顔を赤く染める跡部くん。
私はそんな跡部くんを見て吹き出してしまった。





まさかのまさか

そんな物で赤くなるんだ…
『ブフッ!!』




20120229
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