切原くんお姉さん
退院許可

痛みに悶えてる恵里奈を見ながら雪乃と幸村くんの会話を聞く。



「実奈と雪乃さんの関係は??」

「中学のクラスメイトで親友よ」

「へー…あの人は??」

「アレは実奈の追っかけかしら??」



ん?何か会話変じゃない??
恵里奈、追っかけとか言われてるし



「幸村くんは実奈とはどんな関係??」

「いきなり言い争った仲ですね」

「どんな仲よ…」

「フフフ…」

「…ンフフ」



黒い黒い!何か黒いよ!!
私は冷や汗を流しながら恵里奈の方へ避難する。


何かよく分からないけどあの2人怖い。
私は恵里奈の口にポッキーを突っ込みながらそう思った。


恵里奈はポッキーを食べながら2人を見ていた。



「……モテモテやな」

『………』



もう色々無視しよう。
そう決めてベッドに座る。
恵里奈は額を抑えながら私の隣に座った。



「連休家に泊まりに来る??」

『唐突ね…ま、考えとくよ』

「うん」



そう言って抱きついてきた。
最近周りに抱きついてくる友達増えたなーとか思いながらポッキー2袋目を開けた



コンコン



「はーい」



私の代わりに恵里奈が返事をした、私は特に何も言わずポッキーを食べる



「…元気そうだね」

『はい』



先生が入ってきた。
恵里奈は私から素早く離れた



「脈、測らせてもらうよ」

『どうぞ』



そう言って先生に腕を差し出す。
先生は脈を測る…


私はポッキーを恵里奈に渡してボーッとする。
雪乃も幸村くんも小声で話をしている…
恵里奈も会話に入りたそうにしているが入りにくいのかソワソワしている。



「うん、もう大丈夫そうだね」

『………』

「明日、退院して良いよ」

『ありがとうございます』



先生は私の頭に手を置いて撫でた、私は驚いて先生の顔をまじまじと見てしまった。



「通院はしてもらうからね…後、薬もね」

『…分かってます』

「……君の躰は不思議だ」



私は先生の言っている意味が分からず首を傾げた。
先生は笑って"何でもないよ"とまた私の頭を撫でた。



「あ、幸村くんは明日検査ね」

「…はい」



それだけ言うと先生は病室から出ていった。



「良かったやん!!退院やて!」

『うん…』

「フフ…明日はあの子に荷物持ってもらったら??」

「ああ…あいつ明日来るんやったな…」

『………』



私達の会話に首を傾げている幸村くん



"そうしてると天ちゃんそっくりね"とか言いたかったけど雪乃と恵里奈の会話に気をとられて言えなかった。





何故、知っている…

私、恵里奈達に言ってないよね??
あれ…??




20120225
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