切原くんお姉さん
食欲

『そういえば何か買ってきたんじゃないの??』

「あ…」



恵里奈は"すっかり忘れてた…"とか言って袋から飲み物とお菓子を出した。



「食べながら話そう」

「『だね』」



そう言って台の上にお菓子と飲み物を置く


私は近くにあったポテチを食べる。



「…本当に入院してなきゃダメなの??」

『あー…私もそう思う』

「明日にでも退院できるんちゃう??」

『先生が良いって言ったら退院できるんじゃない??』



"うわっ他人事…"
と2人に言われたが無視だ無視。


「実奈ーー…」

『………』

「無視せんといて!!」

『………』

「実奈が意地悪や!!」

「いつもでしょ」

「グハッ…」



そう言って恵里奈はベッドに倒れ込んだ。
私も雪乃も恵里奈に冷たい視線を送った



コンコン



『はい』

「体はどう??」

「「………」」



病室に入ってきた少年を見て"い、イケメン!?"と恵里奈と雪乃はそう思った。



『もうバッチリだよ』

「そう…あ…」

「「ど、どうも…」」

「こんにちは」



ニコッと幸村くんは笑った。
恵里奈も雪乃もニコッと笑い返し、すぐさま私を見た。
2人は幸村くんに聞こえないように小声で私に話しかけてきた。



「誰??」

「ま、まさか彼」

『違うから』



恵里奈がとんでもない事を口走ろうとしたので口を抑えて否定する。
幸村くんはそんな私達を見て微笑んでいる。
私達はお互い顔を見合わせて苦笑い。



「あ、座ったら??」

「ありがとうございます」

『ちょ、ここ私の病室!!』

「「まあまあ」」



私はそんな2人を見てため息をついた。


恵里奈も雪乃も幸村くんに質問攻め、幸村くんは笑顔で質問に答えている。
私はそんな3人を見て笑う。



「幸村くんは実奈の彼氏!?」



そんな事を聞いたバカに勢いよくまた枕を投げつけた。



「な、なにすんねん!!」

『ちょっとこっち来いよ』



今できる精一杯の笑顔で恵里奈に笑いかけた。



「す、すんませんっ」



恵里奈は涙目になりながら手を合わせてそう言ってきた。
そんな私達を見て笑っている2人。


やっぱり似てるよ。
そう心の中で呟きながら恵里奈にでこぴんをお見舞いした。





退院間近

…ちょっと強すぎたかな??
まあ、大丈夫だよね…
恵里奈だし




20120224
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