人ごみは、嫌い。
消えてしまったあの人を、
探してしまうから。
歩けば人通りが目まぐるしく、立ち尽くせば邪魔そうに追い越される大通りは、トウコの嫌いな場所のひとつだった。
広い通りを歩ききるまでには何十人、ないし何百人の人とすれ違うことか。彼女はその1人1人の中に、緑髪の青年がいないかと探してしまうのだった。
ある時は青いマフラーに振り返り、ある時は黒いキャップに振り返った。
N以外の人が見えなくなってしまったらいいのに。
そんなふうに考えてしまうエゴイストは、確かに彼女の中にいたのだ。
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