Hug me strongly, very very strongly,
and say "I love you."
With that alone it is good.
キミが笑ってるだけで幸せだった。
キミの隣にいれるだけで十分だった。十二分だった。
キミが他の人と笑い合っていることすら、ボクには嬉しかったんだ。
ボクの好きなキミはこんなにも幸せそうで、愛されている。
キミは、こんなにも、みんなに愛されている………!
ボクがキミを好きなように、キミはみんなに好かれているんだね…。
でも、いつからか、ボクは、他人に笑いかける君が憎らしくなった。
*
一ヶ月前、キミは、ボクと一緒に遊ぶ約束してくれた。
キミが一人暮らしをしている場所を教えてくれた。ボクは緊張した。同じ部屋でthe worldにログインして、同じ部屋で会話が出来るだなんて…。
それは、とてもとても楽しい幸せな時間だった。
触れると熱を持ったキミ、柔らかい肉を持ったキミ、豊かに表情を変えるキミ。
ボクはハセヲ越しのキミではなく、触れば手の届くキミを知ってしまったんだ。
それからだ。ボクが不安になったのは。
ボクは、キミが大好きで大好きで仕方がない、ボクの気持ちにはこたえてくれるかな、…ボクの気持ちは届いているのかな?
キミが他の人笑い合っていることで、ボクはもっと不安になった。
ボクがキミに笑いかけるたびに、キミも笑いかけてくれるのかな?
キミはボクを愛してくれているのかな?
ボクがキミを好きなように、キミはボクを好いているのだろうか……。
不安になったボクは、キミに電話とFAXをした。段々間隔を短くして。愛している、と伝えたかった。
ボクはいつだって、片時も休まず君を思っていると伝えたくて。
そして、今日、ボクは、キミの家に行った。
ボクを出迎えてくれたキミは、顔色が悪く、突然訪問したボクにひどく驚いていた。部屋に上がると、大きなゴミ袋が数個隅においてあった。道理で、最近ゴミが出ていないわけだ。
ああ、そうだ。ボクはキミの出したゴミを漁ったよ。カメラを仕掛けて、君に無記名で送りつけた。毎日毎日毎日毎日毎日毎日送った。君の性癖も全部全部ぜえんぶ調べた。
君のことは、全部知りたかったし、ボクだけが知り得ることが欲しかった。他の人が知っていて、ボクが知らないことがあると悔しくて仕方なかったんだ。ボクだけが君をこんなにも知り得ているのだと理解して欲しかった。
「…一ノ、瀬」
「亮、震えてる」
震える身体を安心させるように、ボクは抱きしめた。見た目より細いキミの身体は、すっぽりとボクの腕におさまった。
ボクは、キミに告白をした。腕の中で震えてるキミの耳元で囁いた。
誰よりもキミを好きだ。理解もしてる、と。その証明に、ボクが知り得るキミの全てを伝えた。
なのに、
「亮……?」
「ひっ…っ、あ、あ…」
キミが身をよじった。まるで、逃げるように。
いやだいやだと、わずかに身を引いた。
「…ねえ、今、逃げようとした……?」
「っ!?っ…!」
なんで、どうして?
こんなにも、キミが好きなのに。
ボクからキミがいなくなったら、ボクはキミにどうすればいいの。どうしてキミに思いを伝えればいいの。
ボクから逃げたキミは、他の人を愛しそうな気がして怖い。ボクだけを…見ていて欲しいんだ。
ボクは、ボクの腕の中で暴れる亮の肩を、身動きできないように強く強く掴んだ。亮は、両目いっぱいに涙を浮かべてボクを見ていた。(ごめんね、痛かっただろうね。)
「ち…違う、よ……」
「ほんとに?逃げようとしてない…よね?」
ボクから…逃げないで。
逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで逃げないで!
「良かったあ…」
「………っ」
ボクが抱きしめようとすると、君は体を震わせる。それが少し寂しい。
ボクはハセヲの肩に顔をうずめた。
少し距離が空いた、震える身体を引き寄せて、さっきよりもずっとずっと強く抱きしめた。
仕方ないか。まだ、少し混乱しているだけだろう。
でも、そのうち君はまた笑ってくれるようになる。ボクはキミを、愛しているから。
だから、キミもきっと…ボクを愛してくれるよね?
終わり
エン→→/ものっそい壁/→ハセな、薫亮です
ちょっと、説明不足な部分や誤字もあって読みづらかったり、暗い話が苦手だったりした場合はすみませんでした(m´・ω・`)m
2012年04月16日
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