続かないし途中で終わるエロ
貴方の吐息。貴方の鼓動。
全身で感じる、生命の叫び。
脳で感じる、貴方の嘆き。

どうしてこうなってしまったのだろう。甘い吐息が転がるベットの上で、僕は一心に貴方の憤りを受け入れた。柔く爪を立てられて、太腿を押される。足先に力が入って、何度も足指を開いたり、握ったりした。
息が近い。肌が爛れるのではないかと思う程、その蒸気で熱に浮かされる。
濡れた肌と肌がぶつかる音、ねばつく水音、僕からあがる嬌声。
嬉しいとさえ思ってしまった。握り締めた手と手はまるで神への祈りのように絡み合う。貴方の愛が今夜だけは僕だけに注がれている。
「あ、あ、ロック、ロックオン……っ!」
全身に力が篭る。強張った体を弛緩させるように、祈りの手は解かれて、ロックオンの手のひらが僕の体を撫で上げた。
左手は脹脛を掴んで、軽く角度を変える。よりいっそう深く繋がるように、ロックオンは腰を捻った。そのまま手のひらが登ってくる。内腿をつつ、と指を伝わせ、背後に回し込んでロックオンの肉棒を受け入れている部分をなぞる。縁に指先を引っ掛けて僕をいたぶる。先程までの激しい打ち付けは止まっていた。入り口ばかり指で弄ばれて、侵入を拒むかのように思わずそこを締め付けた。
「アレルヤ、もっと…欲しいか?」
髪をかけて露出している左耳を唇で食まれる。舌で耳の穴さえ犯された。ダイレクトな吐息と水音。けして動かない下半身。受け入れている穴への微かな愛撫。
「はぁ、ああ…っ!」
欲しくて欲しくて堪らない。
もっと犯して欲しい、もっと壊して欲しい。
僕の体を、僕の理性を。
「だめ…これ以上は…、壊れちゃ、う、」
壊されたいから拒む。犯されたいから抵抗する。
愛おしい彼への、唯一の我儘。
だけれど優しいロックオンは、穴を弄るのをやめて手のひらを上半身へと持って来る。
いきり立ち、先走りを滴らせている僕の中心に触れないのは、彼の意地悪だ。
「はは、真っ赤になってる」
「んっ、は…ぁあぁ」
胸の淡く色付いた尖端を指で転がされた。恥ずかしくて自分の手で口を塞ぐ。胸を揉まれて、女のように声が出るだなんて、男としてみっともない。だけど彼に触れられてると思うと、全身が過敏に震え、跳ねるのだ。
「ダメ。声、聞かせて?」
そっと塞いでいた手を取られて、首に回される。そしてまた、胸への愛撫が再開された。
唾液を纏った指先が、尖端には触れないようにクルクルとその周囲を滑る。そして時折親指で上へ上へと押し上げられた。もどかしい快感がそこから生まれて、背骨を伝い腰にまで及んだ。
「ふっ…ぅ、うぁ…」
爪の先で引っ掻くように軽く弾かれるのが気持ちいい。じんわりとそこが熱くなって焦ったさで上半身を捩り、頭の後ろでシーツを握り締める。もっと尖端を弄って欲しいのに、尖りではなく周りばかり指が行き来する。
「こんなにぷっくり勃起させて。……おんなのこみたいにコリコリしてる」
「う、うっ…ぁ、ひゃぁあっ?!」
その加虐的な言葉の後に、ついに待ち望んだ快感が訪れる。親指と中指で尖端はつままれて、くにくにとしこったそれをしごかれた。
しかし依然としてロックオンは下半身を動かさない。

prev / next
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -