反逆
※アテンション※

いつものような感じではありません
R18というよりも
・最初から最後までニールが悪い男
・ニールが刹那orティエリアの事を性的な意味で好きな変態さん
・アレルヤも大概変態さん
・あんまりエロい事はしてないけど発言があまり宜しくない
・愛が無い。
不本意な事が沢山書いてます
それでもよろしければ自己責任で。


















「ひとりで……ヨがってんじゃねーよ…」
謝罪の言葉ですら押し込められるこの夜は、謝肉祭にはなれなかった。
低く暗く狭いここは、牢屋。いや牢屋の方がマシか。
使われていない倉庫に青年は囲われていた。
青年は首を絞められて呼吸さえ奪われている。言葉はもとより無い。青年には人間的な権利が与えられていなかったから。
唯だ、この場において。
細いテグスのようなもので両腕はひとつに拘束され、鬱血しているのを誰も咎めはしない。普段誰も立ち寄らない倉庫では誰の目にもつかないから。
「なー…もっとキツく締めろよ、こんなんじゃ、お前は代わりにならねえんだからさ」
これでもかというくらい締め付けていた。だけど腹筋に力をいれたくてもいれたくても、性感帯の中枢を抉られて、もう考える余地も無く。
名前さえ呼ばれない青年は、快楽の片隅で思った。
(代わりでも、嬉しい)
愛しい人に抱かれる喜びを青年は知ってしまった。
触れているのは、下半身と、指先だけ。まるで汚いものに触れるようなそれにも歓喜してしまう程、目の前の男に心酔している。
「子供の体温ってのはさぁ…セックスしてる時より高いのかなぁ?子供のアソコって、女のマンコより熱いのかなぁ?」
目の前の男は、変態だった。
真正のロリータ・コンプレックス。加えてゲイに目覚めたばかりの元ヘテロ・セクシュアル。
彼の内側に潜む、サディストには薄々勘付いていた。
ロックオン・ストラトスには、思い人がいた。
ロックオンが今ここでいたぶっている対象はもちろん、本来彼が嗜好する対象である、年半ばといかない少女では無い。
ロックオンが今男として求める男は、ここで組み敷かれている青年では無い。
ロックオンが求めるは、少年。
指一つ触れされないその少年に、ロックオンは心を奪われ、そしてそのサディスティックな感情を燻らせている。
唯だ、一心に。



「彼に執拗に迫るのは…もう止めて下さい」
青年がまだ人間としての尊厳があった頃、青年はまだ、ロックオンに固有名称で認識されていた。
「アレルヤ…俺が誰に、迫ってるって?」
ただのスキンシップじゃないか、とロックオンはわらう。ひらひらと手のひらを、手の内を見せるようにして翻す。
少なくともアレルヤにとって、ロックオンがいうスキンシップは、性的なものを含むものだと分かっていた。
あれは、実際にやられた立場でないと分からない行為だ。そして、実行に移した立場だから、分かった行為だった。
固有名称を口に出すのをアレルヤは戸惑う。
出す事によってロックオンのターゲットが他に移る事を避けたかった。被害はまだ、出ていない。それを食い止める術は、直にロックオンを諌めるしか方法が無い。
「お前が、俺に迫ってるんじゃないのか?」
その言葉を聞いて、アレルヤは身体を凍らせた。
経験を実行に移したのは、アレルヤだったからだ。如何にして相手に感ずかせず、愛しい気持ちで触れ合えるか。如何にして相手に不快な思いをさせず、この好意を誤魔化せるか。
アレルヤ・ハプティズムはゲイだ。
正しくはバイ・セクシュアルだが、それ以上にあまり性的なものを望まないアレルヤにとって、それらはあまり関係が無かった。
性的な意味では無く、男も女も関係無く、アレルヤは求める。幼い身体をとはいえ、かつて男に同じ男である自分自身を求められた経験のあるアレルヤにとって、性という括りは無いに等しいものだった。
男でも良いのだという経験によるものだ。
男だから、女だから、ではなく、一個人をアレルヤは求める。その対象が、現在のアレルヤにとってのロックオン・ストラトスだった。
「何故」
しかしアレルヤは、声色一つ変えずロックオンに尋ねる。
何故分かったのか、何故そういった結論に至ったのか、何故そういう理由があると思ったのか。
肝心なところまで言わないのは、アレルヤの性だ。
その質問のどれにロックオンが答えようと、アレルヤにとってはその答えが重要なものでは無かった。
大切なのは、どれに答えるか。
「俺がお前とおんなじだからだよ」
その一言は、アレルヤの考えた質問の、どれにも当て嵌まった。
だけどロックオンはアレルヤと違って、一個人を求めている訳では無かった。
まだあどけない少年の、その秘部に己を刻み付けたいだけなのだとアレルヤは気付いていた。それが少年という括りなのは、きっと彼がロリータ・コンプレックスからだったからだろう。支配欲に駆られるよくあるパターンのひとつにロックオンは収まっている。
「なら…分かっているでしょう?嫌な思いをしたんでしょう?彼に触れようとするのを止めて下さい」
「それは無理な相談だ」
腕を組み、ロックオンらにっこりと微笑を浮かべる。
そしてまるで獲物を狙う鷹のように、鋭い視線でアレルヤを睨んだ。
「俺があいつを愛しているからだ」
愛という言葉で一蹴される。
「ふざけないで!」
アレルヤは激昂して、抑えていた声をついに荒らげた。
愛だと?そんな理由で、抵抗する少年を組み敷こうというのか、この男は。
「…ふざけてる?ふざけてんのは、お前さんの方だろう?いっつもいっつも気持ち悪い視線でこっち見てさ…下衆いんだよ、お前の手つき」
心底吐き気がする、といった表情でロックオンはアレルヤをなじる。
「ちょっと俺がいい顔すればしっぽ振ってさあ…それで俺の気が引けるとでも思ったか?あ?俺があしらえば捨てられた犬みたいに泣きっ面晒しやがって」
「ずっと慕っていましたってか?毎晩毎晩俺でオナニーしてたんだろ!そうしてりゃいつか俺が優しい顔で振り向いてくれるとでも思ったのかよこのドーテイビッチ!」
「違、違う…!」
「違う?いいや違わないね!俺とお前はおんなじ変態なんだよ!だけど俺には愛がある、あいつを、愛してる!俺ならあいつの望む世界を与えられる、俺ならあいつを幸せに出来る!男になら誰かれ構わず股開くようなお前なんて、」

「誰も愛しちゃくれないんだよ!」

その瞬間、全てから突き放された。

「はは…は、ははははは!!!」
アレルヤは腹を抱えて微笑った。笑って、嗤って、嘲笑って、笑いながらハレルヤを押さえ込んだ。
「ああそうだよ、女子供と、堅物と老いぼれしかいないこんな場所で飢え死にしそうな所だったんだ!いつ押し倒してやろうかって思ってたら…まさか本当にお仲間だったなんてね!」
「じゃあ筆卸しでもしてあげようか?どうせ男は初めてなんだろう?僕に突っ込んで中出ししちゃうくらい気持ちよくして、気持ちよ過ぎて殺してあげようか!」
「ああそれとも、君が子供に抱かれたいっていう変態さんなら、僕が犯してあげても構わないけれど!愛なんていう君は、もちろんバージンなんだよね?」
「……ってんじゃー」
「は、」
「いきがってんじゃねーよ…」
首を絞められる。
そしてアレルヤは、人間としての尊厳を失った。


「んむ、ぅ、うウぅうゥう!!!!」
倉庫に置き去りにされた、工具箱に入ったいた細いテグスで手首から肘までの自由が奪われた。
口の中には脱がされた自分の下着を突っ込まれる。
そしてそのまま慣らしもせずに、奥まった所へ性器が押し込まれた。
言葉に表せないくらいの激痛に顔が歪む。
初めてなんです、なんて、今更言えない。
求めたのは、彼の微笑。
嫌われたくなかった筈なのに。
でもそれは、欲望を抑え切れずに彼に触れてしまった自身の罪だから。
好きだって言って欲しかった。
僕を愛してるって言って欲しかった。
あんな子供より、あんな子供より、あんな子供より!
(嫉妬していた…?)
いつか彼に抱かれる少年のことを。
細くて小さな、脆いその身体を羨んだ。
(ああ…でも、それでも、今は)
今はその少年より、優位に立てている。
彼の思惑通り、淫乱な雌を装えばいい。
初めての気持ちも、初めての身体も、全てすべて彼に差し出そう。
身体だけでも奪ってやろう。
「ひとりで……ヨがってんじゃねーよ…」
ロックオンに開拓されていくこの身体が、とても頑丈で良かったとアレルヤは涙を流す。どんなに殴られ、傷付けられ、壊されても、きっと彼によるものだと思えば耐えられるのだろう。
激しく打ち付けられるそこは、破瓜による血で濡れていた。痛みはハレルヤが脳量子波で遮断してくれている。この時ばかりは殺戮的な我が半身に感謝した。
「なー…もっとキツく締めろよ、こんなんじゃ、お前は代わりにならねえんだからさ」
そのかわり、身体の支配権もハレルヤに掌握されかかっている。
このままではロックオンがハレルヤに殺されかねなくて、アレルヤは最後の気力を振り絞って、彼を絶頂に導く為に身体に力をいれた。
(代わりでも、嬉しい)
彼が一心に求める、少年の代わりだとしても。

愛しい人の愛がどうか、芽吹きませんように。
ずっとこの臓腑の中で、飼い殺してあげるから。

2011/08/31 UP

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