泡と成る(dj♀/jojo)

R-15 年齢差ねた



ディオはスラムにいた頃は娼婦や人妻の食い物だった。何も知らない彼を、複数の女たちが弄んだ。ディオ自身も覚えている、女の緩み切ったグロテスクな膣が、幼い肉棒を飲み込む様を。男からの暴力に怯え、女の慰みになる毎日を送り続ける内に、次第に歪んでいくのは当然の流れだった。

そんな彼が、父ダリオの遺言で与えられた新しい場所。それはスラムから遠く離れた、楽園の様な場所だった。暴虐の限りを尽くした父親はもういない。温厚で聡明な義父に、8つも年の離れた聖母のように美しい義姉が待っていた。

義姉のジョナサンは20を迎えているが考古学に没頭している為、なかなか縁談が纏まらず嫁ぐのはしばらく先になりそうな女性だった。女性にしては高身長で、普通の男性なら隣に立つのを憚る位だ。ジョナサンはディオを弟のように可愛がり、釣りや乗馬を教えた。幼い頃はズボンを履いて野を駆け回るお転婆で、そういったものをよく知っていた。

「僕は男みたいだから、きっと結婚できないよ」と苦笑いするジョナサン。それを聞いていたディオは心の奥底で嬉しいと思った。大好きな優しい姉とずっと暮らしていけるのなら、それでいいと思ったからだ。




「もうやめよう、こんな事」

涙交じりに告げるジョナサンにディオは首を傾げた。ジョナサンは寝着のボタンをしめながら俯いた。いつもは結んでいる青みがかった髪を横に流している様は、どこか妖艶さを醸し出していた。

「ディオ。君はいつかこの家を継ぐ立派な大人になるんだ。そしていつか素敵な女性と結婚して、子孫を残すんだ。僕の事はもう放ってくれて構わないんだよ」

ディオは首を振ってジョナサンに縋りつく。ジョナサンは抱きしめる事はせず、まだ幼い小さな頭を撫でた。




――自分の世界で女などジョナサン一人だけでいい。ジョナサンと共にあれればそれでいい。なのに。なのに、何故それを許してくれないのだろうか。

何故許されないのか。



「僕達は姉弟(きょうだい)なんだ。だから無理だよ。僕は君の姉なのに、禁忌を犯してしまった。僕は最低な姉だ。こんな事はもう終わりにしなくちゃいけないんだ。」

「ごめんね、ごめんね、僕は異常なんだ。君にこれ以上悪影響を与えてはいけないから、近々この家を出ようと思う。ディオ、どうか幸せに。愛してる。」


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