a bubble(cj♀/jojo)
※sbr混じってます
親友のJOJOが休暇を貰って都会から戻ってきた。あたしは嬉しくって首を長くして待ってた。けれど故郷に戻った時のJOJOは様子が変だった。彼女はあたしに、お腹にこどもがいる事を正直に告白した。つい数週間前まで恋人がいて、妊娠を知った途端逃げられた事、ただの休暇じゃなく産休だった事とかも全部。全て白状した後、JOJOはあたしの前で初めて声を上げて泣いた。悲しい呻きが混じった様な、耳を塞ぎたくなる声で。もう明るかった彼女の姿なんか何処にもなくて、私は狼狽える事しか出来なかった。
恋人の事を今でも愛している彼女は、墜ろしたくないと希った。父親には愛されなくとも、おれはきっとこの子を愛せる自信がある!と言っているみたいだった。彼女はもう立派な母としての威厳を持ち始めている。私は今やっている仕事を活かしてJOJOに胎教とか、妊婦さんストレッチとか、何でも教えた。JOJOは明るさを取り戻し、帰って来た頃の姿がまるで幻のようになっていた。
生まれた赤ちゃんは男の子だった。彼女にはないブロンドとヒスイ色の目、父親の血が強い証拠だ。「ジャイロ、ジャイロ、ママだよ」とJOJOは嬉しそうに笑って、赤ちゃんの手を握っていた。聖母みたいで綺麗だった。
赤ちゃんだった筈のジャイロは今年で3つになる。JOJOは勤めていた会社を退社して、私たちのいる故郷で慎ましやかに働いている。やんちゃに育ったジャイロは、最近しゃぼん玉にハマっていて、天気の良い日はいつもJOJOたちの家からしゃぼんが舞うのを遠くから見かける。
今日も空は晴れ渡っている。