無題(cj♀/jojo)

※バッドエンド



あーあ、死んでも死にきれねえ。シーザーなんかと食事するんじゃ無かった。

シーザーはいつも女侍らせて悦に浸ってるスケコマシなのに、お人好しな俺は何故か捨て置けずにいた。幼なじみのよしみでだ。

あいつは女に優しくても、俺にだけは女として接してくれない。お前みたいなガサツな女なんか興味ない、って笑いながら言われたときは、こっちから願い下げだコノヤロー!って言い返してやったけどホントはすごく傷付いてたよ、知ってたか、シーザー。


お前の誕生日を祝いたいって無理言って、大勢呼んでバーで乾杯して、美味しいもんに囲まれてさ、誕生日おめでとうって言って、お前の笑った顔見れて、すげえ楽しかったなあ。お前と草むらで駆け回ってたガキの頃を思い出したよ。


お開きの後一緒に帰路について、たわいもない話で盛り上がったよな。肩を並べて歩いて、恋人同士みたいでちょっぴり恥ずかしかったよ。でもお前とだったら悪くない気がして、幸せだった。もしかしたら、ずっとこのままでいられたかも知れなかった。

途中でたまたまお前を見かけたガールフレンドが、お前を呼び止めなければ。



一転して、ガールフレンドと楽しく会話するお前見たら一気に現実に引き戻された。お前にはお前の人生があるのに、馬鹿だよな俺って。


『悪いJOJO、一人で帰れるか』
シーザー、お前は最後まで俺を女性として扱ってくれなかったな。


で、ここからが笑い話。シーザーと別れた場所から数メートルしか離れてない曲がり角で、俺は暴漢に出会い頭に刺されたんだ。そういえばこの通りは女性を狙った犯罪が多い場所だったが時既に遅し。はぁ、全く以てツイてないというか。

頑張って着た折角のパーティドレスが血で真っ黒になって、品のない姿で何度もお前の名前呼んだけど、二人分の遠ざかってく足音しか聞こえなかった。シーザー!シーザー!叫びたかったのに、蚊の鳴くような声しか出なくて、怖くて、痛くて、辛くて、悲しくて。

木登りに失敗して怪我をした時みたいに、お前が駆け付けてきてくれるって思ってたんだ。

しばらくしたらだんだん痛みが無くなって、やがて体は楽になった。


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