ふぁんとむちゃんの失敗しない☆ミ婚活術!




魔界を総べる帝王ムンドゥスの配下であるファントムには悩みがありました。ファントムは人間年齢で換算すると三十路手前位です。周りを見れば、可愛い奥さんを連れている同僚の多い事多い事。遊びに現を抜かしていたツケが回ってきたんでしょうね。ようやくファントムは自分が未婚である事実を意識し始めます。

既婚者である同僚の一人、グリフォンは言いました。「悪魔ですら結婚するというのにお前と来たら」。その言葉に対して、超短気な性格だったファントムは当然憤慨しました。

「何をォ、鳥野郎がイキがりやがって!!上等だ、お前なんかのより飛び切り良い女を娶って来てやるぜ!」

正に売り言葉に買い言葉。ファントムは自分が言った事に対し内心青ざめますが、もう後には引けず。こうしてファントムの婚活が始まりました。




しかし見た目のゴツさ(身長2m)と荒い性分が災いし、なかなか運命の女性と巡り会えません。同族にもアタックしてみましたが、経歴のせいか既に「怖い」というレッテルを貼られていた為、ゴールインするにはかなり道のり(何世紀規模)が長そうです。

ファントムが自暴自棄(ヤケ酒とか、殺戮とか)になりながら過ごしていたある日。ファントムの仕事場である魔界の入り口、マレット島に一人の女性が現れます。その女は裏切者と悪名高いスパーダの娘で、復活したムンドゥスを倒しに来たと言っています。ファントムは全く話を聞いておらず、女に目が釘付けとなっていました。

プラチナみたいな美しい髪、女性らしく引き締まったウエスト、主張する様に揺れるたわわな胸。外見全てがファントムにはどストライクでした。我に返ったファントムは本来の姿から人間態(いわば婚活モード)に切り替えました。

「いきなり何の真似だ?化物め!」
「ククク……もう方法や過程なんぞどうだっていい。決めたぞ!今日からお前は俺様の妻だァ!!」
「きゃ―――ッ!!?」

ファントムは女を押し倒し、無理やり手籠めにしました。



「うぐッ、ひぃ、ァ、も…無、理ィ、ひギッ」
「どうだ女、降参するか?俺の妻になると誓うか?」
「わ、かったぁ!…分が、ったから…、も、あぁんッ!ァ、イぐ、イクーッ」

子宮にたっぷり子種を注ぐと、女は気絶してしまいました。ファントムはすっかり骨抜きらしく、いそいそと女を自分の巣に持って帰りました。



後日、上機嫌な彼の隣には新しい奥さんが並んでおり、それを見たグリフォンは「ようやく見つかったか」と安堵していました。女は出会った頃は勝気だった瞳を失い、ファントムの胸に縋って甘えています。

「結構好みだったから捕まえたんだ。どうだグリフォン、羨ましいだろ」
「確かに美味そうな女だな」
「味見はさせんぞ」

こうしてファントムは見事ゴールインを迎えましたとさ。おわり。





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