切に願います

の2D♀独白




魔帝ムンドゥスは消滅した。かつて魔界を震撼させた覇王アルゴサクスも、この手で滅ぼした。最後に残されたのは、自分自身のみ。

魔界を統べる者は絶えたが、未だ人間界に悪魔の気配が失せる様子はない。悪魔と人間を完全に分かつには、魔界に新たな秩序を設けなくてはならない。新たな"魔帝"となる為、私は人間界に別れを告げた。

悪魔を憎んでいるはずなのに、ミイラ取りがミイラになるとは思いもしなかった。しかし、それで人々が悪魔の脅威から解放されるのならば、構わない。



ただ、一つ気懸かりがある。




魔剣を右手に、左手には銃を。今の彼には、魔剣士スパーダの面影が確かにあった。青い覇気はおそらくバージルと同じ。フォルトゥナであの少女と睦まじく暮らしていると思っていたのに、わざわざ魔界の入り口を探し当てここまでやってきたらしい。




「帰ろう、ダンテ」

無理なんだ、ネロ

「もう一人にしないから…」

お前を巻き込むのは、金輪際御免だ




「ダンテ!」




本当は嫌だ。

こんな冷たい暗闇の中で、永遠の時を過ごすなど。
でも、でも…
私は
スパーダの血縁者としての
悪魔狩人としての
最後のけじめをつけなくてはならない。

ネロ、せめてお前だけは
幸せになって欲しい
私を忘れても構わない
人として生きて欲しい

叶えられなかった私の代わりに、どうか


「ダンテ!!」


どうか生きて下さい






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