Please look down on me from heaven.

V♀D、S♀D R18
身体欠損表現あります





かつてフォルトゥナの領主をしていた悪魔・スパーダは一人の人間の女性と出会う。名はエヴァ。互いに惹かれあい、ついにスパーダはまだ十七歳だったエヴァを妻に迎えた。数年経って、エヴァは奇跡的に人間と悪魔の血を引き継ぐ双子の子供を身ごもった。生まれた子供は兄妹だった。兄の方は至って健康な赤子だったが、妹は両の手足が未発達であり、産声は兄と比べ随分と小さかった。それでも夫婦は無事に生まれた事を幸せに思い、大事に育て続けた。

七歳になった頃、兄のバージルは父から剣術と学問を学ぶようになった。一方の妹、ダンテは両手足が揃っていない為歩く事が出来ず、車椅子に乗りながら母と一緒に過ごしていた。事柄を吸収し聡明に育っていく兄とは反対に、ダンテは語彙が育たず、年相応に言葉を話す事も出来ない。ダンテはいつも外で剣の稽古をする兄の姿を、寂しそうに眺めていた。

しかし雨が降る日は別だった。雨の日は兄と室内で遊べるからだ。ダンテは嬉しいと言うように、何度も兄の名を呼んだ。バージルもまた、そんな妹を大切に思っていた。




 * * *



朝、バージルはダンテの部屋へ向かった。軽くノックをした後「入るぞ」と一言、ドアを開け未だベッドに沈む妹の元へ歩み寄っていく。

「ダンテ、朝だ。起きれるか」
「………ん、……」

ダンテはゆっくりと顔を上げ、短い腕を使って体を起こした。十九歳になったダンテは、エヴァの美貌をそっくり受け継いでいた。バージルもまた、父親譲りの知性と美貌を備えるようになった。

「覚えているだろう。今日は母さんの墓参りだ」

バージルの言葉を受けたダンテは僅かに悲しそうに目を細め、小さく頷く。元々病弱だったエヴァは、まだ二人が小さい内に亡くなった。エヴァが居ない今、ダンテは多忙な父や兄を見送っては一人で過ごす日々が続いていた。ダンテは首にかけられたアミュレットに目を落とす。寝る時も肌身離さず持っている、大切な母の形見だ。

「着替えようか」

母親の役目であったダンテの着替えも、今ではバージルが担っている。ダンテにとってはバージルは同じ血を分けた兄である為、肌を見せる事自体に何の抵抗も感じない。

あくまで、彼女の中では。






白い石の前でバージルはダンテの車椅子を止めた。心地よい春の風を浴びながら、ダンテは母の名前が掘られた墓を見つめる。
その間に、バージルは片手に抱えた薔薇の花束を石段に置く。真っ赤な薔薇は、まるでエヴァの存在を象徴しているかの様だった。

ダンテはこの年になっても、未だに「死」を理解できなかった。現に、もしエヴァに会えるのならば会いに行きたいと考えている。スパーダ曰く、エヴァは遠い場所に行ってしまったのだと。ダンテはこの時初めて、屋敷の檻の外にある世界を意識した。


屋敷に戻ってもまだ外に意識を向けている妹に、バージルは問いかける。

「どうした?」

口下手なダンテは、ゆっくりと言葉を吐き出した。




「―――ね、おそと、どんなところ。ママ、に、…」

会いたい、と言い終える前にバージルはダンテの唇を塞ぐ。それも、恋人を相手にするような仕草で。


「駄目だ。」

バージルは端正な口元を綻ばせて、ダンテの頭を優しく撫でる。バージルは既に昔から、妹に恋をしていた。この思いを自覚した頃、彼は妹の不完全な身体である事実に感謝していた。歩く手足も、考える頭もなければ、こうして永遠に檻の中に閉じ込める事が出来るからと。




 * * *




日が沈んだ頃にスパーダが戻り、今度はバージルが出かけて行った。もうぐずる様な年でも無かったダンテは静かに彼を見送る。



夕食の時間になり、スパーダは皿の上の食物を丁寧に切り分け、ダンテの口元へ運んでやる。咀嚼し嚥下するのをを待って、スパーダは口を開いた。

「今日は二人で墓参りに行ったんだって?」

ダンテは頷いた。

「…そうか。成長したお前達を見て、エヴァもきっと喜んでいるだろう」

スパーダは嬉しさを滲ませて言う。しかしそれは表面上のものだった。


ダンテがそっと顔を上げた時、丁度スパーダと視線同士がぶつかった。スパーダは少し困った様に笑んで視線を逸らす。落ち着いた様子でいながら、最愛の妻を亡くした夫としての、彼の心の痛みをダンテは察した。

ダンテは、その時抱きしめる腕が己に無い事を呪った。エヴァと同様に愛する、自分達子供がいるのだから大丈夫だと、体で伝えてあげられないのが悲しかった。ダンテは別の方法を考える事にした。

「パ、パ、」
「何だい?」
「きょう、は、いっしょ。ねよう!」

娘の提案という名の気遣いに、スパーダは心底嬉しく思った。此処に戻る間もない己をここまで気にかけてくれる娘がとても健気で、愛おしかった。









暗転した部屋の中、二人分の激しい息遣いが響く。

ベッドの上では、寝着を乱したダンテを組み敷くスパーダの姿があった。スパーダが体を動かす度、下にいるダンテは切ない喘ぎを漏らす。彼女の秘部にはスパーダの雄が深く突き刺さり、薄赤の淫猥な液が周辺を濡らしている。

スパーダはついに、親子の壁を越え娘であるダンテの破瓜を奪った。

年を追う毎にエヴァの姿に近づいて行くダンテの姿に、スパーダは底知れぬ情を抱いていた。食事の時に彼女から目を逸らしたのも、それが理由だった。親愛を通り越した愛は、ダンテを抱きたいと思えるまでに大きく成長してしまった。


「パ、パ。んん、」
「ダンテ、…」

近親相姦がタブーである事を知る由も無かったダンテは、受け入れる様に短い腕を広げた。父の痛みに比較すれば、多少の痛みも気にはしなかった。スパーダは溺れる様にダンテの懐へ顔を寄せ、欲望に従い律動を始めた。

「あ、あ、ぱぱ、あ、あ、あぁ!」

先程よりも強い動きに、ダンテは惜しげ無く嬌声を上げる。



「とても綺麗だよ、ダンテ……今、中に……」

スパーダは髪を優しく撫で、ダンテの程よい締め付けに眉を寄せた。ついに昂ぶりは限界に達し、スパーダはダンテの膣内に射精した。子宮に熱いものを感じたダンテは、恍惚とした表情で最後まで受け止めた。

「…ぁ…ぁあ、………」

"パパ、大好きだよ。"

行為の意味を知らないダンテは、スパーダの思いに気付く筈も無い。





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