注! 事情により名前変換ナシです! 申し訳ありません!



「林檎、見て見てー!」

 小さな手には何とも可愛らしい花が握られていた。
 満面の笑みを浮かべる佐倉さんは、ぴょこぴょこ揺れるツインテールを兎の如く振り、軽い足取りで私に駆け寄ってきた。

「この花可愛いなあ! いろんなところにあるんやけど、何の花なんかな」
「それは……、ハルジオンだね」

 少し悩み、思い当った記憶を口に出すと、佐倉さんは感心したように相槌を打った。
 佐倉さんの視線の先には、大切そうに掌に乗せられた無数の白い花びらに彩られた一輪の花がある。道端でよく見かけるアレ、白い、もしくはピンクだったりする小ぶりな花こそハルジオンである。

「花言葉は……なんだったかな」
「林檎は物知りやなあ」

 相変わらずニコニコと笑みを浮かべる佐倉さんは楽しそうにハルジオンを掲げた。頭上に持ち上げ、何が嬉しいのか鼻歌を歌ってゆらゆらと揺らす。
 かと思いきや、ばっとこちらを向いて、得意げな表情を浮かべた。

「うち、思うんやけど!」
「何?」
「この花、林檎に似てるような気がせーへん? こう……、どことなくセイソっぽいところとか、大人っぽいところとか」
「別に私清楚じゃないよ? ガサツだし」

 清楚だとか大人っぽいだとか、随分と高評価を得たものだ。佐倉さんはほぼ直感というか閃きに近い感想だったのだろうが、そうあっさりと褒められると喜びや照れより苦笑いが零れてしまう。
 そんなことないやん、と言いながら佐倉さんは、相変らず庭園の隅っこにひっそりと根を生やす花々を眺め、小さく息を吐いた。
 艶やかな茶髪にビニールハウス越しに差し込む日光が眩く反射する。

「佐倉さんはさ」
「んー?」
「向日葵みたいだよね」

 向日葵のような、太陽のような笑顔。周りの人々に希望をもたらし、光を振りまくその少女の瞳は真っ直ぐで、純粋で、目標に向かって伸びる向日葵のようだった。
 豆鉄砲を食らったような表情をした佐倉さんは目を瞬かせ、後に照れたように頭をかく。

「なんや、そういうこと言われると照れるなあ。えへへ……、向日葵かあ」
「うん。まさに、って感じだよ。ぴったりだね」
「せやったら、やっぱり林檎は――は、ハル、ジオンってやつやと思うで!」

 若干言い間違えながらも佐倉さんは取り繕う様にハルジオンを私に突出し、照れくさそうに笑った。
――的を射ている。

「うん、そうだね……本当に」


 ハルジオン――追憶の愛。
 いつまでも過去に縋っている私に、ハルジオンのように俯き続けている私に。


――すごく、ぴったりだ。


(苦しくなんて無い)


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コウサカ様よりいただきました!
うっひょおおおおおおお!!!!かかか、可愛い…っ!うちの子がこんなに可愛いかっただなんて…!蜜柑ちゃんもとっても可愛いです…っ!夢主のふんわりとした髪と、大人びた表情ながらの優しさがにじむ笑顔…!夢主らしい笑顔に心臓が撃ち抜かれました…!あああ可愛い!!見た瞬間発狂しそうになりました!
ありがとうございました!
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