∴ Little Little Princess3

「い…やだッ…おれ、こんなの…ッ!」
「まだそんな我侭を言うか。どうせ私の夢の中なのだから…私もお前もすぐに忘れてしまう」
「そ…れは!」

先生がこれが夢の中の出来事で、終われば忘れてしまうと自覚していることに驚きを隠せなかった。
さすが自称高貴な妖と言っているだけはあるのだろうか。
そしておれも一緒に忘れてしまうと思い込んでいることに、何も言えなかった。
本当に忘れてしまえればよかったのに。
先生一人だけ忘れてしまうのは、少しズルイと思った。

「面倒だから破いてしまうか」
「………ッ!?」

黒い蔦に束縛されたままの状態で、服がビリビリと強引に破られた。
ところどころにシャツやズボンが引っかかったままであったけれど、ほとんど肌を曝け出されてしまった。
引き千切る時の振動でさえも、響いて体の奥底に疼きをもたらした。
下半身は見なくてもすでに勝手に反応していて、恥ずかしさにどうにかなってしまいそうだった。
動けないのがわかっていても、前を隠したくて足をもぞもぞと擦り合わせた。

「いい格好だ…そそられるな」

先生が喉をゴロゴロと鳴らして細目で嬉しそうに見つめていた。
普段の巨体から考えると随分小さくなって迫力も半減したように見えたが、体から滲み出ているオーラが欲望に燃えたぎっているようだった。

「う…っ…」

目の前が急にくらくらとし始め、本格的に毒が回ってきた。
喉の奥がやけにからからに乾いていて、なんでもいいから潤して欲しかった。
ふと先生の下半身を見ると、獣の体に不釣合いな大きさの立派なものが生えていた。

(犬とか興奮状態になるとあんなに大きくなるものなのか?それとも妖だから?)

「なんだ私のをそんなにもの欲しそうな顔をして覗きおって…随分と大人しくなったものだな」
「うるさいっ」

反論はするものの息があがってきていて、いつ唇から甘いあえぎ声が漏れてしまうかというぐらい追い詰められていた。

「じゃあ望みどおりしゃぶらせてやろう」
「あ…」

急に黒い蔦が蠢いて強制的に体を地面に降ろされ、先生の股間の前まで頭を引っ張られる。
おれの方に両手を乗せると強引に腰を突き出してきて、硬くそそり立ったペニスがちょうど口の中に入れられた。

「んぐ…うぅっ…ん…むぅ…」

一般常識で知る人間の作りとは明らかに異なった淫棒が喉の奥まで潜り込んでくる。

(硬いし…香りも獣っぽいというか少し違う気がする)

ぼんやりとした頭でそんなことを考えた。
当然あまりのサイズと長さに口におさまりきらずにいたが充分だった。
先生の腰が動く度に頭が揺さぶられて、そのうちに何も考えられなくなってきていた。

「んん…っ…ふ…ぅ…んぅ…」

汁液を口端から派手に滴らせながら、目を瞑って行為に没頭した。
どうしたらいいのかよくわからなかったので、ただ受けるだけだったけれど喉の壁を擦られるのが心地よかった。

「はじめてにしては、なかなかやるな…まぁいい一度出してやろう」
「んっ…むぅ…っ…ふうぅっ…んあっ!………あ」

突きこまれていた先生自身が吐き出されたと思った瞬間に、ものすごい勢いで精液がはじけた。
あまりの量と勢いに、頭の上からバケツをひっくり返されたのかというくらい汁が滴っていた。
勿論両目は開けていられなかったのでずっと瞑っていたが、暫くは無理そうだった。
顔を拭おうにも手が縛られているのでどうしようもなく少し困っていると、瞼にあたたかくてざらついた感触が触れた。

「あ…くすぐったい…」

どうやら顔についた液体を先生が舌で綺麗に舐め取っているようで、すぐに目を見開くことができるようになった。

「これはこれで艶っぽくていいが、目が見れないのは私も残念だしな」

溜まっていたものを吐き出せたのがよっぽどよかったのか、やけにスッキリとした顔で微笑んでいた。
逆におれは今ので余計にもやもやとした感情が心の中に生まれて、釈然としなかった。
口に入れただけでこんなになったのに、体に受け入れたらどうなってしまうのか想像がつかなかった。

「ではそろそろ夏目に触ってやるか。もう我慢ができなくなってきているだろう?」
「………ッ」

認めたくはなかったけれど、焦らされて随分と苦しくなってきていたのは事実だった。
毒はもう完全に浸透しきっていて、下半身に直接触れられたらそれだけで達してしまいそうなほどに張り詰めていた。
それでも無駄な足掻きかもしれないけれど、最後まで正気だけは保っていたいと思っていた。
いくら夢の中とはいえ本当に意識を手放したら、この中に取り残されてしまうのではないかとも考えられたから。
絶対におれが先生を起こすと決めたのだから守らなければならなかった。

「そうだはじめてなんだし少し解してやらないと私のは入らないだろうな」
「え…」

納得して呟いた後先生がおれの視界から完全に消えた。
固定された体では後ろを振り向くことが出来ずに、これから何が起こるのかわからなくてドキドキした。
わずかに足が震えているけれど、恐さからなのか待ちきれないからなのかはおれにも判断できなかった。

「あ…そこつめた…ッ」

急にお尻の周りに汁を滴らせた蔦が何本か群がり始め、後ろの穴の周りにぬるぬると塗りたくり始めた。

「おい夏目声を出せそのほうが楽になる」
「う…ッ…それは嫌だ…」
「もう殆ど毒に侵されている癖にお前はどこまで頑固なんだ。せっかくアドバイスをしてやっているというのに…」

体の生理現象はおれだけではどうにも止められないのはわかっているので諦めたけど、声はなるべくあげたくは無かった。
快楽を感じていることをどうしても知られたくなかった。
声に出してしまったらそこで、思っていることの何もかもを吐露してしまいそうな自分が恐かったから。
あえぎ声以外の言葉を叫んでしまいそうだったから。

「く…ぅっ…」

やがて尻の穴をまさぐっていた複数の蔦が、とある一点を目指して集中的に狙いを定め始めた。
先端を使って無理にこじあけようと懸命に群がっている。

「…ッ………っぁ…!」

そのうちにぬめる汁の助けもあって、何本かのうちの一本が遂に中へと侵入してきた。
妙な異物感はすぐに毒によって気持ちいい刺激へと変化して、ぶるぶると麻痺するように腰を震わした。
そして細い蔦が最奥に辿りついてやっと、深く呼吸をした。
いくら痛みはないとはいえ、本来使う目的以外でその場所に入れるのが恐いのに変わりなかったからやっと安堵できてほっとした。

「まだまだ全然余裕そうじゃないか。ありったけ詰めこんでやろう」
「!?や、やめっ…っううぅ!」

一本だけ入りこんでいる穴に目がけて残りの蔦が一斉に押し入ろうと詰め掛けた。
もぞもぞと蠢いているうちに二三本が入る事に成功したようで、擦れた衝撃が背中に伝わってきてぞくぞくとした。

「は…うぅ…ッぅも…ダメ………っく…ぅあぁ…!!」

必死に唇を噛んで洩らさないようにしていた声が遂に出た瞬間に、自身のペニスから白濁液が出て地面を汚した。

「はぁ…はっ…は…はぁあ…」

達してしまったのに中に侵入した蔦の動きは留まることを知らなくて、すぐにまた下半身が元気を取り戻してきていた。
息をするのが精一杯でもうまともな思考はできそうにもなかった。
蔦が中でお互いに擦り合う衝撃が一番熱い疼きとなって全身を襲い、瞳からは再び涙が零れはじめていた。

「ちょうどいい具合になってきたな…そろそろいいか?」
「は…ふぅッ…」

一気に蔦が中から引き抜かれて開放感から思わず熱いため息をもらしてしまった。
これで終わりではなく、これからが本番だった。

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