猪名寺乱太郎
※現代パロディー
砂利
私の実家は、人口3000人くらいの田舎村なんだけど、小学生の時に、バスで隣町のサッカークラブに通ってました。それが終わるのはいつも9時くらいで、帰りにバス停から家への外灯もない砂利道を通るのがすごく怖かったのを覚えています。 (田舎の夜は外灯がないと、なにも見えないほど暗いんです)
ある日いつものようにバス停から降りて真っ暗の砂利道を歩いてると、向こうから
ジャリ…ジャリ…
と誰か歩いてくる音が聞こえてきました。まぁ私の家の先にも家がぽつぽつあるから、その辺の人…かな?とか考えながら、ビクビクしながら歩き続けてました。段々音が近づいてきて、ようやく前から歩いてくる人影が見えた 。暗いから顔とかまでは見えなかったけど、人ということがわかってひとまず安心。道の真ん中を歩いてきてるようなので、左端の方に避けるような感じで歩くことにしたんですが…10Mくらいに接近した時に、その人も左端を歩いてきたんです。
うわっ!って思い慌てて右端にチェンジしたら、その人も右端へ。もう怖くて動けずにいると、いきなり「アァァァァァァ!」とか叫びながら私に向かってダッシュ。 顔はニット帽を深くかぶり、マスクをしていて見えない。そしてそのまますごい力で抱きつかれた。
私はもう小便漏らしながらごめんなさい連呼してました。すると「びっくりした?」と言ってマスクをとりはじめるその人。
と お ち ゃ ん だ っ た
わざわざ、私が帰ってくるのを待ち伏せしてたらしい。まぁ泣きながら文句言ったけど、ここまでならよかったんだ。一緒に並んで帰ってる途中で
「いやー、また間違えたらどうしようかと思った」
「ん?なにが?」
「実はおまえが来る前にさ…」
聞けば私の前に間違えて、私の2つ上の女の子に襲い掛かったんだと。当然泣かせてしまったが、必死に説明して謝り、誰にも言わないでくれと頼んだから大丈夫だそうだ。
翌日、私のあだ名は砂利マスクジュニアになった。