納涼落.乱百物語
今宵の憂き目に灯を燈し、
百の灯りと致しましょう。
青藍の衣にて紛れるは語りべ両人。
四ッ夜の内に騙られる、
無明の童が演ずる百忌憚。
何卒、ご緩りとお娯しみ下さいます様。
零、
一、「木登り」
三、「壁に耳あり障子に目あり、それから?」
五、「水切り」
七、「象牙」
九、「開かずの間」
十一、「祓詞」
十三、「憑き物つき」
十五、「開けて」
十七、「食欲的好意」
十九、「おとしもの」
二十一、「一つ目」
二十三、「遠眼鏡」
二十五、「パンツ」
二十七、「穴蓋」
二十九、「昔あった話」
三十一、「嘘つき」
三十三、「砂利」
三十五、「いい人」
三十七、「長い」
三十九、「中身が違う」
四十一、「火のないところに」
四十三、「おたく」
四十五、「∞」
四十七、「暑苦しい」
四十九、「ゆめにっき」
五十一、「傘目」
五十三、「足音」
五十五、「すずめの群れ」
五十七、「もふ」
五十九、「イクチ」
六十一、「おんぶ」
六十三、「かむんとにゃんにゃん」
六十五、「お前が一番怖い」
六十七、「こたつの中」
六十九、「記憶」
七十一、「汚い部屋」
七十三、「再会」
七十五、「卑怯な方法」
七十七、「お前に言われたくない」
七十九、「夢の中のかくれんぼ」
八十一、「四つ葉のクローバー」
八十三、「知らぬ存ぜぬ」
八十五、「見知らぬ痕」
八十七、「時空の逆説」
八十九、「どこんじょう」
九十一、「いえのこ」
九十三、「OKサイン」
九十五、「ひひひひひひひ」
九十七、「憑いているもの」
九十九、「受け継いだ因習」
此れにて、終幕。
叉手、如何でしたでしょう。
些しでも涼を感じて戴けたなら、
共々恐悦至極に存じます。
処で、束ぬ事をお訊ね致しますが、
未だ灯りは遺って居りますでしょうか。
若しも紫闇に月が亡ければ、
お気を付け下さい。
序で一に出遭うは将又、
或いは貴方やも痴れませんので。
以下、
後書。