大木雅之助
※現代パロディー
どこんじょう
以前夜勤の仕事していた時があった。
ある日、深夜二時過ぎくらいだっただろうか。猛烈な便意をもよおして明かりの消えかけた暗いトイレに駆け込んだ。
個室に入り、けつのセッティングが完了したとき、ハイヒール特有の足音がきこえてきた。
通路が暗かったから女子トイレと間違ったのだろうか、と焦った。
はじめのうちは女性の前でぶっこくのは流石にまずいかと我慢していたのだが、足音はずーっとコツコツコツコツ俺の入っている個室の扉の前をうろついてる。
ああ、こいつ人間ではないのか。
なら気遣いは無用だな、と
全力で噴出したら音と気配が消えた。
それ以来夜勤仲間から俺の屁は退魔の屁と呼ばれ、それっぽい現象が起こる現場に屁をこきに行くことが増えた。