竹谷八左ヱ門
※ガチで虫、現代パロディー






俺は、昔から何かと虫に縁がある。今日はそのいくつかを紹介させてもらう。

その1。
まだ小学校にも上がらないガキだったとき、両親が出かけて俺一人で留守番しなきゃいけなくなった。
親は更に山盛りの茹でた枝豆を残して出かけていって、俺も言われるままにひたすら食う。調子よく食ってると、とあるさやから豆と一緒に芋虫がのた打ちながら出てきた。芋虫は全身火傷でしばやく皿の上でもがき苦しんで、やがて動かなくなった。
泣いた。

その2。
小学校低学年のころ、朝の集団登校で通学路を歩いていると、溝の中にうどんの玉が捨ててあるのを発見した。
「誰だうどん捨てたのー」「もったいなーい」と口々に言いながらまじまじと覗き込むと、うどんはうねうね動いていた。みんな泣きながら学校まで猛ダッシュした。
その日、家に帰って親に言ったら「ああ、サナダムシだろ」とあっさり言われた。
しばらくうどんが食えなくなった。

その3。
小学校高学年のころ、母親と一緒にファミレスに入った。
アイスミルクティーを頼んで、ストローで飲んでいると段々底が見えてきた。何か黒いものがある。グラスを傾けると、Gだった。半分以上飲んだあとだ。
店員さんが気がついて平謝りだったが、吐きそうだったので黙っていたら母親に「謝ってるんだからいい加減機嫌直しなさい!」とはたかれた。
あれを味わっていない者に俺の気持ちがわかってたまるかと思った。
俺の反抗期の始まりだった。

その4。
中学生のころ、夕飯時。
両親が共働きでなおかつ長男の俺は、親に代わって時々料理を作っていた。
冷蔵庫にはスーパーの安売りシールの貼ってあるカツオのパックがあって、それを開封。ラップの裏に、線虫が蠢いていた。
迷いなくパックごとゴミ箱に叩き込んだが、その夜、線虫が捨てた魚を食って大繁殖する夢を見てしまいよく眠れなかった。
翌朝、本当はダメだけど庭でゴミ袋ごと入念に燃やした。

その5。
高校生のころ、とある中華屋に入った。
から揚げ定食を注文すると、付け合せのサラダの中にデカいGが混入していた。店のおばちゃんに言ったら「えー?」という顔で、サラダをざっと洗って再び出してきた。
その店には二度と行ってない。

その6。
高校生のころ、昼休み。
友達が学校を抜け出してシュークリームを買ってきてくれた。皮に蚊が練りこまれているのに、食べる直前で気がついた。数が丁度しかなかったので俺だけ食えなかった。
「もったいねー」と友達が言うので、「じゃあやるよ」と言ったら「いwらwねwえwよwwww」
どうして同じ顔なのにこいつにはこんなに腹立つんだろうな、ってもう一人の友達に言ったら、そいつが笑ってた友達の顔面に蚊シューをそおい!してくれた。
こいつとは何があってもずっと友達でいようと思った。

段々慣れてきている自分が悲しい。
まだまだあるけど、今回はこのへんにしておこう。



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