鉢屋三郎
※現代パロディー


汚い部屋




雷蔵に部屋が汚いから片しておいてねって、部屋に置き去りにされた。部屋散らかしたのは雷蔵なのに…その雷蔵はこれからほかのみんなとランチらしい、う、羨ましくなんか、ないんだからねっ綺麗にした部屋のなか、今夜は雷蔵とベットの上でダンスフィーバーだ!

意気込んで部屋に散乱したごみや本をまとめていく。ああ、これ、この前私がなくしたんだって殴られた件の本じゃないか。こんなところにあったんじゃない、もう。私、やってないって言ったのに。そんな理不尽な雷蔵も好きだけどね。殴られてもそんなに痛くないし、むしろきもちいい…いや、忘れてくれ。

あらかた片付けたところでベットの下からこの前雷蔵が着ていたシャツがはみ出しているのに気づいた。着たらちゃんと洗濯カゴにいれてねって言ってるのに。ずぼらなんだから、雷蔵ってば可愛いはすはす。くいっと服のはしを引っ張ると服にしては妙な手応え。布にしては明らかに重い。なにか服につつまっているのかと思って破らない程度にぐっと引く。少し抵抗はあったがずるりと白色蛍光灯の下に引き出される。



異様に長くて白い腕が、雷蔵のシャツの反対側を掴んでいた。


怒りでつい我を忘れた。

「雷蔵のシャツは私のものだ触るなすりすりするな嗅ぐなぺろぺろするなおな◯にーのおかずにするなぁあああああ!!!!!!」


私の剣幕に驚いたのか、ひゅっと腕はベットの下に戻っていった。去り際に小さな声できもって言われたんだけど、男はキモくてなんぼだろ。全世界の男が好きな子のシャツとか生着替えとかでやることやってんだ幽霊の癖に夢見てるんじゃないやい。



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