竹谷八左衛門
不破雷蔵
鉢屋三郎
久々知兵助
尾浜勘右衛門
※現代妖怪パロディー


再会




坂に面した石造りの階段をもくもくとのぼる。数段先ではやくはやくと嬉しそうに跳び跳ねているのが雷蔵、腕のなかで鼬の姿でぐったり夏バテなのが三郎だ。二匹は鎌鼬という妖怪らしい。

今向かっているのはクラスの友人の親んとこの寺。家からそこまで遠くはなかったんだが訪れる機会もなかったから行ったことはなかったんだけど、やたら雷蔵と三郎が学校で友人、勘右衛門を意識してるからこりゃなんかあるなと思いたって残暑厳しいなか修行よろしく長々と続く石段をのぼっているわけである。


「おー、竹谷。ほんとに来たんだ」
「今度、来るときまでに、階段減らしといてくれよ…」
「え?そんなに階段きつくないっしょ、うち」
「30分くらいかかったんだけど」
「えー?近所の婆さんなんかには老人に優しい段数だって評判なんだけど」
「…ちなみに段数は?」
「12段」

意味がわからないよ…


落ち葉はきをしていたらしい和服にほうきを携えた勘右衛門に案内されて寺の脇にある彼の自宅に通された。玄関先でただいまーと言ったところから家族が家にいるらしい。一歩、玄関先の敷居を跨いだ瞬間ぐんっと体が重くなる。腕の中の三郎の耳がピンとたった。


「勘ちゃん、俺以外の男家にあげるなんて酷いのだ」

「「兵助!」」

どうやら二匹の知り合いらしい。

豆腐片手にリビングから歩いてきたそいつの頭には見慣れた耳と尻尾がくっついていた。


三匹目って、おまえか!




――――――――
え、兵助、豆腐小僧なんじゃないの?
豆腐小僧は耳ないだろ…
でも兵助も否定しなかったし、なあ?
細かいことは気にするなって鬼が言ってたから。
え、小平太さん近くまで来てるの?
ああ、このまえみかんあげたら喜んで帰っていったのだ。
うわあ、あんま会いたくないな…
あ、そういえば兵助
ん?

「「おかえり」」



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