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竜ヶ峰帝人先輩に告白をした

返事はまだきていない、しかし多分確定と言うものでいいえという返事だろうというのは予想できてしまった。返事が来るまでの不安など一切無かった、どんな返事が来るのかともう理解できていたからだ。そしてここまでの経由は約数時間前に遡る

俺は彼が好きだった、何処かと言われれば全体的に、細く言ってしまえばきっと原稿用紙10枚は余裕が気がする、というのはあくまで例えとして本当に原稿用紙10枚書くのはキツいという事くらいは勿論知っている。そして彼が己をきっと一生そういう目で見ないというのも知っていた、それなのにこんなにも彼を好きになってしまった自分が哀れで仕方ない。自分に自分で同情をする程可哀相という言葉が似合うものはない。そんな事を考えながら手にしていた牛乳パックの中の牛乳をストローから吸い上げる、本当は彼と昼食を共にしたかったが彼は先約が入っていたのか誘いに二年の教室へ行った時に彼は居なかった。だから一人虚しく、と言いたいところだが目の前には己の一つ机に二つ机をくっつけ自分達の世界に入ってしまったようによくわからない会話をする折原姉妹が昼食を共にしていた。己の好意で居るわけではない、強制とばかりに昼食を邪魔しながら机をくっつけてきたのだ

(…つまんないとか、阿呆らしい)

正直今ここに居ることがつまらないとか思ってしまった自分に自嘲する、食事する相手が居れば普通会話をするものだが己から声すら書けないのにつまらないというのは何処か矛盾しているように感じられる。後一口くらいの袋に入った味付けパンを大きく口を開けたいらげる、咥内へ入ったパンを牛乳で流し込みごくりと音を立て飲み込む。昼食を終えた俺はコンビニ袋に空になった袋と牛乳パックを入れ椅子から立ち上がる、とくに宛てはなかったがどこかへ向かう事にした

「あれ?黒沼くんどこ行くの?」
「何…行…?(何しに行くの?)」
「…あー、どこかに何かしに行く」

「えー!何それ、よくわからないよぉ」

掛けられた言葉を無視して教室を出ていくが本当に宛てなど全くなかった、取り敢えず足の進む方向へただひたすら歩いていた刹那、誰かと肩がぶつかった

「青葉、くん?」

「え…せん、ぱい?」

「あ、えっと、お昼一緒にどう?」

「す、すいません、食べおわっちゃいました。でも、ご一緒していいですか?」

ぶつかったのが良かったのか悪かったのかと言われれば良かったに入るのは当然だと思いながら、コンビニ袋を手に持つ彼の隣を歩きながら他愛もない話をする。他愛な話すら至福に感じながら気付けば屋上についていた、昼休みの終わるチャイムが鳴る迄後10分。空いている椅子を見付け座り、また何でもない他愛もない話を続ける、話をしながら眺める彼の豊かな表情、薄く色付いた唇、瞬きするたびに揺れる長いまつげ、綺麗な色をした青色の瞳

「先輩、」

「ん?何?」

「あ、いや、何でもありません」
(先輩、好きです、なんて)

そしてタイミングよく予鈴と言う名の鈍いチャイム音が鳴る、ゆっくりと立ち上がった俺は彼にお先に失礼しますと言ってその場を立ち去る。告白をしたい訳じゃなかった、ただこの吐き出しようのない気持ちを何処に吐き出そうというのが空回りをしただけなのかもしれない、それならば何故彼に言うことになってしまったのか、全てはあの教室で起こった出来事のせいに違いない、それは昼食を終え数時間の放課後の事であった
己は彼を迎えに二年の教室へ行くとそこには夕日で照らされた教室を一人掃除する彼が居た、先輩と声を掛け歩み寄った刹那床に落ちていた箒に躓き彼に抱きつくかとなった、案の定彼が支えてくれたのは良いが心拍数は増すばかり

「先輩、」

「何、青葉くん」

「俺、貴方の事が
好きなんです」

「……ごめん」

「え?」

「あ、いや、何でもないよ!
だけど、返事には少し待って?僕も驚いて今は返事出せないから」

「…わかりました」

俺にははっきりと小さくではあったが彼がごめんと返事したのが聞こえた。そして翌日告げられた返事はごめん、とその言葉だった



ごめんね、なんて
(ずるいですよ)
(その一言だけで否定だなんて)
(俺はこれからどうするんですか?)
(もう俺は生きていけません)



2010.08.08

"汝の隣人を××しなさい"様に提出致しました

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