みつどもえ | ナノ


かづさん宅で1人勝手に萌えていた静臨帝のみつどもえ話です
市ノ瀬さん誕生日祝いに捧げるやつでしたがくそすぎてボツどころかごみと化しました
ただの自己満+没ごみです

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ひやりとした床が妙に気味が悪く指先から冷気が全身へと伝わり思わず体がぞくりとした
目の前で微動にしない少年は床へ腰を下ろす己へ視線を向けているのが感じる
不快感に自然と眉が寄るのを感じながら床へ向けていた視線と共に顔を上げると口元を三日月のように描かせている姿が視界に映しだされた
壁に掌をつけ重い鈍り玉を背負ったような体を持ち上げるように緩慢と立ち上がると、不意に空いていた片手が力強く握られるとぴりっとした痛みが襲った
握られた片手は体を支える手を添えていた壁へと勢い良く押し付けられ、そのまま背もろとも打ち付けられ体の力が一気に抜けるのを感じ足元が崩れそうになったが、目の前の少年のもう片手が崩れそうになる己の前髪を掴むと痛みにより体が強張った
喉から自然と呻き声が絞りだされるのを感じつつ必死に息をしようと浅く小さな深呼吸を繰り返しては、壁に添えていた手で再び必死に体を支えていると腕を掴んでいた少年の手が離れた

「あ、く…しゅっ、み、だね」

「臨也さんに言われたくないです」

きっぱりと答える少年の言葉に思わず苦笑が零れた
どうしてこうなったのかなど、話していたら何時間掛かるのだろうと考えながら薬が盛られ重くなったら体を捩り空いた手で前髪を掴む少年の手を離そうとしていた刹那、ぬめりとした感覚が己の唇を割り咥内へ入ってくるのを感じた
決してその口付けは上手いと言えぬものではなかったが嫌悪感と不快感は吐き気を起こす程ではあった
少年の肩に両手を添え勢い良く突き飛ばすとあっさりお互いの体は離れた
重い足取りながら扉を開け、逃げ道である玄関へ向かうべく足を進めていたが不意に開いた玄関の扉から出てきたのは金髪にバーテン服を纏ったこの状況の原因そのものであった
己の姿を見つけ心配したと言わんばかりに歩み寄ってきた彼に一瞬にして己は絶望に突き落とされた

「静雄さん…っ!実は臨也さんが僕に抱いてと強制してきたんです…!」

その一言は紛れもない嘘であった
一気に全身から血の気が引いた
己に浮かべられてた安堵の表情は絶望に染め上げられた
口元が引き攣った瞬間、怒りに満ちた彼が足音を立て歩み寄り己の胸倉をぐっと掴んだ
こちらへ向けられた視線は絶望と怒りと悲しみに満ちていた

(嘘もわかんないとかだから単細胞なんだよシズちゃんは。俺がシズちゃん以外に体を触れさせないことぐらいわかってるくせに、酷いなあ。まあ酷いといえば帝人くんも帝人くんだけどさ。無理矢理殴って薬飲ませて散々ヤっておいてそれはないよねー…あーあ、今日星座占い最下位だったっけ)

彼の大きな拳により俺は壁へと吹き飛ばされた、痛い
もう体に力など入らなかった
ぐったりとした体にはまるで己の体重くらいの重りがのしかかっているように感じた

「否定、ねえのか」

(否定したって、信じてくれないくせに)

部屋の隅で心底楽しげな表情を浮かべる少年が視界の端をちらついた
少年に助けを求めれば助かるのだろうか、再び近づく足音の主の彼に前髪を鷲掴みされ体を無理矢理起き上がらされた

「このアバズレが、」

目頭が熱くなるのを感じた



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