ガイ→ルク

優しい嘘のような気づかいは欲しくなかった。
最近はみんなが優しい嘘をついてくれているような気がしてならない。「違うそうじゃない」とわかっていても、心が苦しくて仕方がない。みんなの言葉や行動を信じたいはずなのに。

自分を信じて欲しくて変わろうと努力しているはずが、自分自身すら未だに信じられずにいて、心の中では赤や紫、黒という色がグルグルと渦巻いている。


(どうかこの言葉を信じて欲しい、君は愛されているよ。俺からもみんなからも。嘘なんかじゃないんだどうか信じて。)


彼は優しく囁く。
それでも優しさは時に怖くて堪らなくなる。いつか再び君を傷つけ、その優しさを失うかもしれないという恐怖がまだ消えないからだろうか。

(そう言って自分を安心させたいだけ。本当は君に信じて欲しいのは俺のほうだ。優しい君との関係をもう二度と壊さないように失わないように。)


(そして君の中にはもっと自分がいて欲しいと願ってしまうのはわがままなのかもしれない。)


君はすやすや
僕はもだもだ


ベッドの上ではどんなこともグルグル渦巻く


2009.08.03
2012.01.24 修正
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