疑心暗鬼
誰も信じなかったのは、裏切られるのが怖いから。
誰も信じなかったのは、自分が傷付くのが怖いから。
自分が傷付くのが怖いから、いつも人と距離を取ってきた。いつも距離を保ってきた。
相手が嫌がるだろうなと思って取った距離は、本当は自分が拒絶されるのが怖いから。その保った距離は、本当は自分を守るための距離だ。相手を気遣うなんて、ただの言い訳だ。
誰も信じなかったのは、人に嫌われるのが怖いから。人に拒絶されるのが怖いから。誰も信じなければ、裏切られることはないから。
誰も信じなかったのは、いつかは裏切られると思っているから。期待ばかりが膨らんで、自分に収拾がつかなくなるから。
どうすれば人を信じられるのだろう。自分の期待を抑えることだろうか。誰にも期待しなければ、人を信じられるのだろうか。
でも、それを信じるというのだろうか。誰にも期待していないのに、信じているといえるのだろうか。それは、未来を妥協しているということなのか。それが、大人になるということなのだろうか。
今日も僕は、人を信じることが出来ないまま、いや、本当は信じているんだ。本当は誰かを信じたかった4時。
(あとがき)ひぐらしのなく頃にコミックス版を読んだ感想。今回は、少し深くまで潜ってみた。自分の見たくない影を、見つめるような作業。心の底では人を信じれないのは、私の欠点だ。おそらく、傷付くのが怖いのだと思う。