百物語 弐
「ねぇ」
「最近このあたり出るんだって」
「何が?」
「…幽霊」
「またまた」
「ほんとだってば」
「ほんとに?」
「うん」
「どんな幽霊?」
「なんか、」
「3人で百物語してるんだって」
一方その頃天界では。
「三人はまだ来んのか」
「はい」
「何をしておる」
「百物語をしているそうです」
「は?」
「幽霊なのに?」
「はい」
「時が迫っておる」
「最期の審判の時が」
「次は誰?」
「はいはい!次わたし!」
「いいよ」
「人が死んだらどこへいくと思う?」
「地獄?」
「ああ、そんなに悪いことしたんだ?」
「いや、違うって」
「はははは」
「あのね」
「人が死んだら、」
「最期の審判をするの」
「最期の審判?」
「そう」
「天国か地獄か決めるの」
「それでね」
「死に神が迎えにくるんだって」
「今も」
「あなたのうしろに」
「死に神が…」
「こんばんは」
「ぎゃあああああ」
「ぎゃああああああ!!」
「ぎゃあああああああ!?」
「あ、わたしこういう者です」
「どう見ても骸骨ですけど…」
「そうです」
「わたしが骸骨です」
「そうなんだ」
「いや、ちがいます」
「なんなのよ」
「死に神です」
「何しにきたの?」
「迎えにきました」
「どうして?」
「最期の審判が迫っています」
(あとがき)200人突破記念。企画は何にしようか考えて、急きょ百物語の続編を書き上げました。一話で落ちはつきましたが、もう少しだけ続きそうな予感がします。