落とし穴
道の真ん中にぽっかりと穴が開いている。
マンホールくらいの大きさで、底は深くて見えそうにない。
人々は穴のすぐ近くを平然と歩いていく。
誰も気づかないのだろうか。
落ちたら危ないのに。
少年は穴に近づいた。
穴の底を覗く。
暗くて何も見えない。
なんだか不気味な穴だ。
吸い込まれそうだ。
少年は穴を離れようとする。
しかし足が動かない。
穴の底で、ドンッと大きな音がする。
少年は驚き飛びはねる。
目の前に恐ろしい形相の顔が浮かんでいた。
それは酷く恐ろしい形相をしていた。
とてもこの世の者とは思えなかった。
気がつくと、
彼は真っ暗闇の中に立ち尽くしていた。
暗すぎて辺りが何も見えない。
上から明かりが差している。
あれは地上の光だろうか。
もしかして穴の中に落ちたのか。
少年が考え前を見つめると、
目の前に恐ろしい形相の顔が、少年を見つめていた。
(あとがき)朝の4時にこれを書いていたら突然、窓ががたがた揺れだして、一人でぶるぶる震えていた。