王と僕!
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「フハハハハ!」

列車から響くその声に僕は座席を振り向く。

「我は魔王なり!」

魔王は突然笑い声をあげて世界征服でもしたかのように叫んだ。

「なんで魔王が列車に乗ってるんだろう」


青春冒険活劇「魔王と僕!」始まるよ!


笑い声をあげるその人物に周囲は戸惑いを隠せない。なぜなら、その子は可愛い小さな女の子だったからだ。

「お年頃なのかな」

一体なんのお年頃だというのだろう。黒いマントに赤いクツ。赤いスカートに白いワイシャツ。赤い猫耳を付けたその女の子は、黙っていれば可愛い幼稚園生にしか見えないのだけれど。

なぜ周囲がざわざわしているかといえば、彼女がうるさいからである。そして座席の上にまたいで立ち上がり大声をあげているからである。

「我は今からこの列車を消滅させる!」

彼女がそう叫ぶが周囲は意味がわからずポカンとしている。

彼女が両手を上げつぶやく。

「地上に眠りし鼓動、パンゲア!」

すると突然地面が揺れだし、大地が割れる。

落ちていく列車の中で、僕は意識を失う。

これが、僕と彼女との初めての出会いである。


「魔王と僕!」CM


朝。気持ちの良い朝だ。何だか嫌な夢を見たような。

「よお!」

「え?」

可愛い小さな女の子が僕の上にまたがっている。ちょっと待て。

「だれだ!」

「魔王だ!」

「そうか!魔王か!」

「平行世界の一つが消滅したので、次はこの世界を滅ぼしにきた!」

「なんだって!それは大変だ!」

ちょっと待て。勢いよく返事をしたは良いが僕は何も理解していないぞ。平行世界がなんだって?

「つまりどういうこと?」

「一人目のお前が死んだということだ」

「なんだって〜〜!!??」


エンディング「魔王のうた。」 cv. 魔王


次回予告:突然現れた可愛い魔王と突然死んだ一人目の僕。平行世界の存在と魔王の野望。いったい何が起こっているのか!?

次回「魔王の世界征服」

見ないと〜君を殺しちゃうぞ。



(あとがき)

お題:フハハハハ!それは列車




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