「お前は実行委員だ」
『なんでぇ!』
「寝ていた自分を恨め」
『信じてたのに!』
「随分安っぽい台詞だな」
悪友とでも言うべきか、3年間同じクラスの柳は私に対して毒が強めだ。今日のLHRだって海原祭の話とは知らず、ぐーすか寝てた私は実行委員になったらしい。相方が柳だからさぼったりもできん。さいあくだ。
『つまりは例年通りクラス出店と部活出店と有志があるわけだね』
「ああ、テニス部は昨年の縁日が好評だったからな」
『あれは明らかに浴衣効果でしょ』
「今年も優勝を狙うぞ」
『はいはい頑張ってください』
学園祭実行委員と言うのは中々に面倒だ。あれこれ細々とやることがある。会計やら何やらはすべて柳に任せるとして、私は主に話し合いの議長を務めたいと思います。
『何かやりたいことある人ー、ちなみに面倒なの却下ー』
「面倒てなんだー」
「まじめにやれー」
クラス中からブーイングが飛ぶ。おまえらが勝手に任命したんだろーが!
『んじゃこれで異論はないっすかー』
「「「はーい」」」
『柳、生徒会に報告しといて』
「あぁ」
『せんせー決まったよー』
生徒が話し合ってんのに寝てんじゃねぇよまったく。
「あぁ、何になったんだ?」
『ツンデレラ』
「……は?ツン…?」
「へぇ、F組はシンデレラのオリジナルか」
『うん、普通じゃおもしろくないから』
「考えたね」
「単にみょうじがつまらないと喫茶店を却下しただけだ」
『黙れ柳!幸村んとこは何になったのさ』
「うちも演劇だよ」
『へー何やるの?』
「魔王」
『………え?』