「昨日振りだな」
『最悪だ、帰る』
「つれねぇじゃねぇの、あーん?」
『なんか用?』
「お前本当に女だったんだな」
帰ろうとしたら氷帝部長。昨日の今日なだけに濃い。
「お前を正式にスカウトしに来た」
「『はあ?』」
声が重なったと思えば後ろには千石。何してんだお前、部活中だろ。
「いくら跡部くんでも、みょうじはうちの大事なマネージャーなんだからそう安々とあげられないよ」
『幽霊マネだけどねー』
「みょうじは黙ってて」
『へーへー』
「おい千石、勘違いすんな」
どうやらスカウトと言うのは学校どーのこーのではなく、テニススクールの話らしい。今教えてもらってるとこも良いけど、イマイチ成長に欠ける部分があるので跡部の申し出を受け入れることにした。どうやら氷帝レギュラー陣もよく顔を出すところらしい。親交を深めたいと思っていたところだから一石二鳥だ。
跡部も用事があるらしく用件だけ伝えると帰って行った。千石が俺も行こうかなとか言ってる。知ってるか?跡部んとこのスクールって猛者ばっか集めてるから男むさいんだぞ。千石には言ってやんねーけどな。さてさて、私も帰るとしよう。
「みょうじ先輩」
『今日は室町か』
ふ、生憎お前じゃ釣られねーからな。残念だったな!
「伴田先生が呼んでます」
『あのたぬきじじい…!』
私に再放送のドラマを観せねーつもりだな。この野郎、先週もなんだかんだで見逃してんだから今日くらい…!
「早くしてください」
『うっせぇ室町のくせに!』
「最近みょうじ先輩怖くないですね、やっぱり南先輩の影響ですか?」
『なにがやっぱりか分からんがそれはない』
「そうですか、で、早くしてください」
『コノヤロウ』
明日もこいつに昼飯奢らせようと心に決めた。Aランチだかんな!そんな視線を送れば鼻で笑われた。なのでデザートセットも追加しようと思います!
「随分安上がりですね」
『てめ、貧乏学生なめんな!』