室町はさっきの羊くんと、亜久津はなんか壁みたいなでかいヤツと、千石はあっちのうぜー部長と。結局シングルスも二勝二敗でドローだ。やっと終わって帰る支度を始めていれば向こうの監督に呼び止められた。薔薇くさい。


「君、名前は?」

『みょうじっす』

「見事な試合だった」

『はぁ、どーも』


それだけ言うと名刺を手渡して去って行った。南いわくスカウトらしい。面倒だから南に名刺渡せば今度は向こうの部長から声を掛けられる。


「おい、みょうじっつったか」

『なんすかー』

「俺様と1ゲーム試合をしろ」

『お断りします』

「あーん?」







試合をしろと煩かったけど、そこは南がなんとかしてくれた。さっすが部長。とりあえず私はあの青帽子くんと話したい。青帽子くんとおかっぱと羊くんはブルジョワの中に混ざった庶民臭がする。仲良くなれそうだ。


『お疲れ、お前名前は?』

「おう、俺は宍戸こっちは鳳」

「お疲れ様です!」

『ども、なあ宍戸』

「なんだ?」

『さっきは羊退治さんきゅ』

「羊?ああ慈郎か、あいつ興奮するといつもああだからな」


宍戸は良い兄ちゃんて感じだなぁ。ダブルスペアの鳳には尻尾が見える。多分見間違いじゃない。大型犬だ。

宍戸と鳳と連絡先を交換して、近くにいた日吉も取っ捕まえて満足した。亜久津がこっちを睨んでいる気がする。ああ、私のせいで挨拶が遅れてるからか。お前早く帰りたそうだもんな。







締めの挨拶も氷帝側がど派手に締めたところで、亜久津は早々に愛車で帰って行った。今日はわりと真面目だったなぁ。さてはモンブランに釣られたか…。私は壇と南を引き連れてファミレスに行こうと思います。オレンジの奴は氷帝の女の子ナンパしてるから知らない。あちらさんも宍戸と眼鏡とおかっぱと…日吉が引っ張られてるからあいつも、どうやら目的地は同じようだ。


「自分マネなんやってなぁ」

『なんだよ眼鏡』

「忍足や」

『覚えてたらな、壇、それ一口』


なんで隣が眼鏡なんだよ!壇は良い、あーんて可愛いらしく持ってきてくれるし。眼鏡きもい。視線がきもい。ウェイトレスの脚ばっか見てんじゃねぇよ。前に座るおかっぱに視線を投げかけたら苦笑された。お前も苦労してんだな。がんばれよ、応援してるぞ。


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