▼現パロ/幼馴染


『とらー』

「おー」

『ごはんー』

「おー」

『おーい』

「おー」

『早く出て来なさいよ!ごはんて言ってるでしょうが!』

「返事してるだろ!」


バン、とドアを開ければ、階段の下で頬を膨らませている幼馴染。リビングから母ちゃんの笑い声が聞こえる。


『聞こえてるなら降りて来な!』

「セーブポイント遠かったんだからしょーがねーだろー?」

『折角照星さん来てるのに?』

「え!?マジで!?」

『マジマジ、早く来なよー』

「すぐ行く!今行く!」


照星さん来てるなら早く言ってくれればいいのに!







『照星さんおかわりいかがですか?』

「あぁ、頂こうか」

「僕がお注ぎします!!」

『とらは座ってな!味噌汁零すよ!』


なんだよ、自分だけ照星さんに良い目使っちゃってさ。

まるで母親だなんだ行ってる父ちゃんと母ちゃんにますますイライラしてくる。

山盛りのご飯を掻き込めば気管支に入ってまたなまえに世話を焼かれる。


「母ちゃんより母ちゃんしてるな」

『昔から手間の掛かる子だからね』

「なんだよ!一つしか違わないだろ!」

『とらのおねしょ布団干し「うわああああああ!」…恥ずかしい思いしたくないなら文句言わない』

「……はい」







ご飯を食べ終えて照星さんにあれこれ聞きたいことをたくさん聞いていたら、またなまえがほどほどにしなさいってうるさいんだ。

自分だって気になるくせに!

皿洗いしててこっちには来れないから苛々してんだ。ぜったい!


「若太夫」

「なんですか!照星さん!」

「家族は、大事にするのだぞ」

「……?はい!」

「もちろん、なまえちゃんもだ」

「なまえも?」


なんで、そう聞く前に、照星さんが薄く笑って言う。


「ああいう子は、良い奥方になる」


男は尻に敷かれているくらいが幸せなのだと、そう言って照星さんは帰られた。

尻に敷かれるくらいが良いって言われたけど、俺は嫌だなぁ。


『とら、テーブル拭いて』

「えー?」

『四の五の言わない!』


俺は……あれ?おかしいな、もう敷かれている気がする。


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