なまえ先生は先生というより友達に近い感覚で、スネイプ先生と同い年だと聞いたときはもう、色んな意味で驚いた。(スネイプ先生はもっと上だと思っていたし、なまえ先生はもっと若いと思っていた)
現になまえ先生はダームストラングの生徒にダンスに誘われているところを良く見かける。僕のパートナーはチョウだけど、てっきりなまえ先生のことは後ろの半透明の彼が守っているもんだと思っていたから。惜しいことをしたな。
ちなみにその半透明の彼は透明になってしまったのか、他校生が来る前から姿を見ていないような。
「聞いてくれよディゴリー!なまえ先生パートナーいるんだってよ!」
「え?本当に?スネイプ先生?」
「さあ?誰かは教えてくれなかったけど、スネイプではないだろ」
なんだ、パートナーいたのか。
誰が美味しいところを持って行ったんだろう。先生もドレス着るのかな。
「ねえ、本当に行くの?」
『だって折角のパーティなのよ?』
「だからって、はぁ、」
なまえは危機感が足りないんだ。いくら僕に魔力がないからって、実体化なんてさせたら所詮は男と女なのに。
どっちのドレスがいいかだとか、靴は、ネックレスは、
きっとそんなことはなにも考えてないのだろう。
めんどくさくなって僕は悩むなまえを後ろから抱きかかえてベッドに寝転んだ。
『リドル?』
「なんだか僕が馬鹿みたいだ」
『どうしたの?』
「もう少しだけ、このままで」
人の温もりは、随分と久しぶりなんだ。
さっきのグレンジャーの変身っぷりにも驚いたけれど、これはまた、みんなの視線が釘付けだ。
「セド?どうしたの?」
「チョウ、見てよあれ、」
シャンパングラスをチョウに渡し、みんなの視線の行く先を見る。
「え、あれってなまえ先生?」
「いつもと雰囲気違うよね」
いつもは僕たちとそう年も変わらないように見えるのに、今日はぐっと、大人の女性でどきどきする。
隣でエスコートしてる男は誰だってみんな言ってるけど、あれっていつもなまえ先生に憑いてる、あのボディーガードのゴーストじゃ……?でもちゃんと足あるし、なまえ先生に触れてる。
ゴーストかどうかは別にしても、なんだかお似合いだ。きっとここにいる誰よりもなまえ先生の隣が似合うんだろうなと嫌な想像をしつつ、ソノーラスで響くダンブルドアの声に耳を傾けた。