月曜に切原に懐かれて、現在金曜日。なぜか厄介者がもう一人増えた。毎日のようにやってくる二人に幸村も口許をひくつかせている。そうだよなあ、私ももう面倒臭い。
「みょうじがとっとと付き合えば楽になるのに」
『ふざけんな』
「幸村の言う通りじゃ、はよう俺と付き合いんしゃい」
「なに言ってんすか仁王先輩!なまえさんは俺と付き合うんすよ!」
『欝陶しい』
「言われとるぜよ」
「仁王先輩の方でしょ」
「『お前ら二人だよ』」
「真田ー」
『真田ー』
「なんだ?」
「赤也と仁王どうにかしてよ」
「それはみょうじにしかどうにもできまい」
「『使えねーな』」
「な!」
『行こうか』
「柳のところだね」
真田をいじるのは中々に楽しい。最近幸村に教えてもらったんだ。さて、柳の元に向かおう。
『どうすれば良いですか柳くん』
「一番の解決策はみょうじが精市と付き合うことだが、」
「『無理』」
「だろうな」
『他には?』
「あまり得策とは言えないが…」
「なんでも良いから言ってよ」
「偽装恋人だ」
『偽装?ニセのってこと?』
「ああ」
「それなら良いのがいるじゃないか」
「俺はやらないぞ」
「バレたか」
『良い加減平穏な日が欲しい』
「なんでみょうじは厄介者に好かれるかな」
『知らないよ』
「悪魔と詐欺師って……最悪だな、あははは」
『あははじゃないし』
「あ、そうだ」
『なに』
「明後日四天宝寺と対戦するでしょ?」
『そこで見繕えってか』
「遠いし、良い案だと思うけど」
『また対戦する口実になると思ってんでしょ』
「……ふふふ」
でも良い案かもしれない。決して幸村の素敵な笑顔にやられたわけじゃない……と思いたい。