カッコつかないや
「光忠さ〜ん!!」
「主!どうかしたの?」
「あの、料理を教えてもらえませんか…?」
「料理?」
「はい、光忠さんいつも美味しいご飯作ってくれてるし、たまには私も!って思ったんですが、お恥ずかしながら少しかじった程度しかわからず…」
そう言って恥ずかしそうに笑ったのは僕の主
いや、僕だけの主じゃないんだけどね
「確かに炊事はよくやるけれど…それじゃあ、さっそくで悪いんだけど夕飯作るの手伝ってもらってもいいかな?」
「はっ、はい!頑張ります!」
ーーー
「主・・・」
「すみません・・・」
思った以上に。
包丁は指切りそうになるし、見てて僕が怖い
炒め物頼むと焦げちゃうし・・・。
でも、そんな主にもひとつだけ。
「光忠さん!これは頑張ったので味見してみてください!」
「お味噌汁?」
言われるままに、差し出してきた味噌汁を少量飲んでみる
「・・・美味しい!」
「本当ですか!?」
味付けだけはピカイチだということ。
「一つでも得意があるのはいいことだよ。包丁なんかは、練習すれば上手くなるしね」
「じゃあ、これからもたまにはお手伝いしてもいいですか?」
「あぁ、大歓迎だよ。それなら味噌汁は主に任せてしまおうかな。」
そう言うと、とっても嬉しそうな顔で僕のことを見るんだ。
・・・あぁ、愛しい
ひとりじめしてしまいたいけれど、
それはまだ先になりそうかな?
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