07

真田の顔に、ゆっくり自分の顔を近づける。

すると、真田は目を閉じた。

ちゅーしていいんだ…。
いや、この状態で拒否できんか。
え?俺って強引?
でも、止められん。

そっと触れた唇。
キスするの、初デート以来だ。

もう少し触れていたくて、ちょっと深く口づけてみた。
真田の柔らかい唇。

わー!やばい!もっとキスしてたい。

少し唇を離して、ぺろっと真田の上唇を舐めてみたり、下唇を甘噛みしてみたりした。

それに応えるように、真田も俺の唇を舐めた。
真田の舌に、ゾクッとした。

キスをしたまま真田の背中に腕を回し、ぎゅうっと抱きしめた。

浅かったり、深かったり、舌が絡まったり。

そんなキスをした。

キスっていつ止めたらいいんだろ…。
止めたくないけど…。
だって、すっげ気持ちいい。

そんなフワフワした心地になっていると、玄関のドアが開く音が聞こえた。

うっ、母さん帰ってきた!

思わずバッと唇を離す。

目の前には、俺のヨダレで口の周りがベタベタになった真田。

「うわっ、ごめん!」

着ていたパーカーの袖で、慌てて真田の口元を拭う。

あ、これはいつ洗濯したか分からん汚いパーカーだった…。



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