高校二年生の春。
クラス替えの発表にものすごくドキドキした。
情けないって言われるかもだけど、いつもつるんでいる友達と同じクラスになりたい。
知らないやつらばっかのクラスは嫌だ。
が、俺の思いを読み取った先生が意地悪したのか、仲間内で俺だけが別のクラスになってしまった。
…何故!?
「枝島、そんな落ち込むなよ〜。
隣のクラスなんだし。」
と、慰められたが、クラスが違うのには変わらん…。
意気消沈し、新しいクラスに向かう。
ドアを開けると、見事に知らない奴らばかり。
…仕方ないか。
委員会にも部活にも入ってない俺。
知り合いは少ない。
俺の席は窓側の一番後ろだった。
この席、新しい友達できにくそうだな。
前の席は女子だし。
隣の席をチラッと見る。
そこに座ってるのは校内で有名な、派手なイケメンだ。
俺とは違うジャンルの人間だ。
こりゃ仲良くなれねぇ。
なかなか友達、できないかも…
はぁ…
自己紹介タイムで何か印象に残る挨拶でもしてみようかと一瞬考えたが、そんなことできるキャラじゃないので諦めた。
もう、俺は空気でいいや…。
翌日、二年生になって初めての授業。
「なぁ枝島、俺、教科書忘ちゃった。
見せて?」
隣の席のイケメンにお願いされた。
「うん、いいよ…。」
机をガタガタと動かし、机どうしをくっつける。
最初の授業で教科書忘れるってどゆこと?
「な、俺の名前覚えてる?」
にこにこしながら質問された。
「加賀…だろ?」
昨日の紹介を聞く前から知ってたよ。
つか、よく俺の名前を覚えてたな。
そこに驚く。
「もう覚えてくれたんだ。嬉しいな。」
そんな喜ばれても…。
授業中、加賀はノートを取らず、俺のノートにいろいろ書き込んできた。
“彼女、いる?”
“好きな人、いる?”
“どんな人がタイプ?”
“理想のデートってどんな感じ?”
という質問の数々に対し、
“いない”
“いない”
“俺のことを好きになってくれる人”
“一日遊んで帰り際にちゅー”
と適当に答えた。
知り合って間もない奴にあんまり答えたくない内容だ。
ま、彼女も好きな人もいないのは本当だけど。
加賀が、どんな気持ちでこんな質問してきたのか…。
そこに気づいてれば、俺は次の休みに加賀と遊びに行くことはなかったし、加賀にファーストキスを奪われることもなかったんだ…。
あとがき
加賀くん、わりと積極的です。頑張れっ(o^∀^o)
枝島くんも積極的な加賀くんにそのうちメロメロ…かも(*/ω\*)
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