〃 


「今日の夕飯は何が食べたい?」

「んー……一回さ、やってみたいことがあって」

「なに、なに?」

「好きな御菓子とジュースだけで夕飯を済ませてみたい」

「……栄養バランスも、体重も何も考えず……?」

「ああ」こくり

「…………まったく、一回だけだぞ」

「ありがとう、臨也」

「その代わり明日から一週間のメニューは全部俺が決めるからね名前には今度こそ絶対寿命以外で死なせるわけにはいかないから身体に良い健康ものだけにするよ分かった?」

「ああ。ありがとう」

「当然の事だからお礼なんて言わないで」


臨也はしょっちゅう背後に回り込んで俺を抱きしめる。小学生の俺と大人の臨也だと体格差があるからすっぽりと収まるが、俺が大人になってもこうするつもりなのだろうか。
試しに聞いてみると、臨也は少し間をあけてからぽっと頬を赤くして囁いた。


「名前に抱きしめられたいです」

「なら臨也以上に大きくなったほうが良いな。このままならいけそうだ」


臨也は俺の生活を全て管理しているが、食事など詳しい知識が必要なものは専門家から直々に情報を仕入れて組んでいるだけあって安心して任せられる。
適度な運動も一日の生活メニューに入っている。睡眠と食事と運動、三拍子揃っている現状なら難しいことではないはずだ。
両親も決して小さい方ではないし、遺伝子面でも問題はない。


「……や、ってくれるの?」

「ああ。だから今後とも美味しくてバランスのとれた食事をよろしくおねがいします」

「うん、頑張る」


へにゃりと笑った臨也はぎゅうっと俺を抱きしめなおし、肩に頭を埋める。


「名前」

「なに、臨也」

「愛してる」

「そうか」

「ずっと傍にいて」

「ああ、良いよ」

「ははっあー今すっごい俺幸せ!」


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