かみさまがもどってきた! 伸ばされた手が俺を引っ張る。 「臨也!!」 勢いづいて俺はコンクリートに倒れた。 勢いづいて彼はコンクリートに叩き付けられた。 その日、神様が死んだ。 俺を庇って死んだ。 俺のせいで死んだ。 俺の神様は消えた。 あ ああ あ ああああああ あああああああ あああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ 「お兄さん」 ああああああああああああああああああ あ あ あ あ 「ねえお兄さん、大丈夫?」 ……み、 「元気がなさそうに見えて……本当に大丈夫?」 見つけた、かみさま。 戻ってきてくれたんだ、俺のかみさまが! 「お兄さん?」 ああ、ヴァルハラを見る必要はなかったんだ。 古今東西、様々な死後の世界を確認する必要なんてなかったんだ。 「おかえり、名前」 かみさま。 俺のかみさま。 愛してます、俺だけの神様。 もう二度と愚かな行動はしません。 だから、もう二度と俺の前から消えないでください。 |