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今、笑ったのは誰?


※トビがデイダラのご主人様です






自由を奪われることに、こんなにドキドキするなんて






少し薄暗い部屋

頭上で縛られた手首をすこし動かすと、縄の擦れる冷たい音がした


「そんなに興奮しますか、先輩」


隣にしゃがみ込んだあなたは、僕の既に敏感になったそこを優しく撫でた


「っん」

「俺のが、欲しいですか」


微笑む顔に必死に顔を縦にふる


縄を優しくほどいたあなたは、僕の手をとった

手首に染み付いた赤い線を「綺麗です」なんて言って撫でてくれるから

僕はもっと自分を傷つけたくなる




ゆっくりとその場に押し倒されて

少し荒めの激しいキス

あなたと空気を共有していることに身が震えるほど狂喜


「愛してます、先輩」


キスの合間に告げられた言葉に自然と涙が零れた


唇を放すと銀色の糸が僕たちを繋ぐ

ろうそくの光を反射して光るそれはとても美しい






不意に耳に吐息を感じ、囁きが鼓膜を揺らす







「なんてな。嘘だよ」







あまりにも冷たいその声に、言葉に、"どうして"と呟きかけた唇を強く噛まれる

流れ出た血は赤いはずだった



あなたは立ち上がり、


「お前なんか大嫌いだ」


僕を見下ろして笑う



心臓は狂ったように全身に血を巡らせる

どうして、
どうしてどうしてどうしてねえ、どうして?

言葉の代わりに、唇から流れ出す血が不味い


「捨てないで」


切実な願いは早足で部屋を出て行ったあなたには届かず、地面に落ちて、黒い染みを作った





ああ、

もういっそ壊れてしまおうか

そうしたら、きっと優しくバラバラにして無かったことにしてくれるから





今、笑ったのは誰?


(壊れるなら)

(あなたの手で*して)







fin.


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こういうズルズルとした関係も好きです(^p^)



   

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